Apple Pencilで字を書くのは、アナログの紙で書く感覚を残しつつ、修正・加筆が簡単にできたり、アナログではできない検索や手書き文字をデジタルの文字に変換など、デジタルの恩恵を受けることができます。
ただし大きな違和感があります。ペンを使っているのでアナログ感はあるのですが、ペンが滑りやすいため文字が書きづらいです。
原因はiPadの画面がガラスでコーティングされていること、Apple Pencilの先端は硬質プラスチック製であることです。
この記事ではApple Pencilの滑りやすさの原因を解明し、より自然な書き味を実現するための3つの改善策をご紹介します。
筆圧調整からペーパーライクフィルム、ペン先の交換まで、あなたにぴったりの方法が見つかるはずです。
快適なApple Pencil体験で、iPadでのノートテイキングや創作活動をさらに楽しみましょう。デジタルツールの可能性を最大限に引き出す秘訣がここにあります。
Apple Pencilが滑って書きにくい原因
主に次の3つのことが原因で滑りやすくなります。
- 「筆圧感知」、「傾き検知」の調整
- 画面の素材
- Apple Pencilのペン先(チップ)
「筆圧感知」、「傾き検知」
筆圧が弱い人や、筆記の角度が浅い人は、滑りやすく感じることがあります。
Apple Pencil第1世代、第2世代、Proには「筆圧感知」と「傾き検知」機能があります。
「筆圧感知」とはペン先にかかる力の度合いによって先の太さや濃さが変わる機能です。
「傾き検知」とはペンの接地角度によって線の太さが変わる機能です。
Apple Pencil USB-Cには「筆圧感知」機能はありません。
画面の素材
iPadの画面に使われている材質は強化ガラスです。
これは通常のガラスよりも強度が高く、耐衝撃性と耐傷性が向上しています。
強化ガラスの滑らかな表面がApple Pencilで書く際に、滑りやすさを感じさせる一因になっています。
Apple Pencilのペン先(チップ)
Apple Pencilの先端はポリカーボネートという硬質プラスチックで、紙に書くペンの柔らかい先端とは異なります。
この硬い先端は長時間の使用が可能になりますが、画面上を滑りやすくなるというデメリットがあります。
滑りやすさの改善策
滑りやすさを改善して、アナログの紙に近い書き心地を得るには次のような方法があります。
- 「筆圧感知」、「傾き検知」の調整
ソフト的に滑りやすさを調整する方法 - ペーパーライクフィルムを使う
粗い画面にして滑りやすさを調整する方法 - 柔らかい素材のペン先に交換
柔らかいペン先にして滑りやすさを調整する方法
著者の個人的な感覚ではペーパーライクフィルムを使った場合が一番、紙で書く感覚に近いような気がします。
「筆圧感知」、「傾き検知」の調整
iPadOS 17の時点で、Apple Pencilの「筆圧感知」と「傾き検知」機能はありますが、それを調整する機能はありません。
Apple Pencilのこれらの機能は、デフォルトの感度で設計されており、システムレベルでの調整機能は提供されていないため、ユーザーが直接変更することはできません。
iPadの手書きに対応した一部の描画アプリやノートアプリでは「筆圧感知」、「傾き検知」を調整できる場合があります。
具体的にはProcreate、GoodNotesに「筆圧感知」機能があります。
ペーパーライクフィルムを使う
ペーパーライクフィルムは、iPadの画面に貼る保護フィルムの一種で、紙のような質感を提供することが特徴です。
このフィルムは紙のような質感を出すために表面に微細な凹凸加工されており(マット加工)、Apple Pencilで書く際に摩擦が生まれ、紙のような書き心地で書くことができます。
保護フィルムを貼らない場合やガラスフィルムを張った場合の光沢を抑えてしまうので、画面が曇ったような感じになり見にくい場合があります。
ペーパーライクフィルムには画面に直接貼り付け式のフィルムと、ガラスフィルムなどの上から貼る着脱式のフィルムとがあります。
YouTubeや映画などの動画をクリアな画面で見たい場合はペーパーライクフィルムを貼らない方がよいので、着脱式のフィルムの購入をおすすめします。
おすすめ商品を紹介します。すべて脱着式のフィルムです
柔らかい素材のペン先に交換
サードパーティ製のペン先は、純正品では得られない異なる書き心地や硬さのペン先を選ぶことができます。
ただし、完全な互換性が保証されていないため、使用時に認識されない、または感度が低下する可能性があります。
材 質 | 特 徴 |
ポリオキシメチレン (POM) | – 摩擦係数が低く、滑りやすい – 耐久性が高く、長期間の使用に適している – 純正ペン先と同じ材質で、一般的に使用感が似ている |
シリコン | – 柔らかく、紙のような感触を提供する – 摩擦が高く、書きやすいがペン先の摩耗が早い可能性がある – 一部のユーザーには抵抗感が好まれる |
ウレタン樹脂 | – 自然で柔らかい書き心地を提供する – ペン先の耐久性が高い – ペン先の反応が少し鈍感になることがある |
金属(ステンレス、チタンなど) | – 非常に硬い書き心地で、細かい線やエッジの効いた線が描きやすい – 滑りやすく、筆圧感知が鈍る場合がある |
おすすめ商品を紹介します。
シリコン製
ウレタン樹脂製
ペン先ではなく、ペン先の先端にある心だけを交換する製品です。
金属製
なお、上記の商品はApple Pencil Proでも使用することができました。
滑りやすさ改善の手順
まずは「筆圧感知」、「傾き検知」の調整をおこないます。iPadには調整機能はないので、使用するアプリに調整機能があれば調整してみます。
次にペーパーライクフィルムの導入を検討します。
ペーパーライクフィルムには貼り付け式と着脱式があります。
字も書くが動画も見る方は貼り付け式を、字を書くの中心である方は着脱式を選んで下さい。
それでもしっくりこない場合は、ペン先を交換することを検討して下さい。
FAQ
まとめ
Apple Pencilは、デジタルの利便性と従来の筆記感覚を融合させた画期的なツールです。
しかし、iPadのガラス画面と相まって滑りやすく、使いづらさを感じる方も多いのではないでしょうか。
この問題を解決するには、主に3つの方法があります。
- アプリ内での筆圧・傾き感度調整
- ペーパーライクフィルムの使用
- ペン先の交換
特にペーパーライクフィルムは、紙に近い書き心地を実現し、多くのユーザーに支持されています。
ただし、画面の見え方に影響するため、用途に応じて着脱式を選ぶのもおすすめです。
これらの方法を組み合わせることで、あなた好みの書き心地を見つけられるはずです。快適なApple Pencil体験で、iPadをより創造的に活用しましょう。