著者 弘兼憲史 氏の代表作の1つ『課長島耕作』の連載が始まった1983年に私は就職、若かりし時、著者のマンガから教えられることが多く、愛読していました。
その私も今年(2020年)に60歳で定年退職。
そんな私にアドバイスをしてくれる本『弘兼流 やめる!生き方』を読んでみましたので解説します。
本の基本情報
書 名 『弘兼流 やめる!生き方 』
著 者 弘兼 憲史(ひろかね けんし)
発行所 株式会社 青春出版社
発行日 2020年10月15日
著者の紹介
1947年、山口県生まれ。
早稲田大学法学部卒業。
松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年に『風薫る』で漫画家デビュー。
『島耕作』シリーズや『ハロー張りネズミ』『加治隆介の議』など数々の話題作を世に出す。
『人間交差点』で小学館漫画賞(84年)、『課長島耕作』で講談社漫画賞(91年)、講談社漫画賞特別賞(2019年)、『黄昏流星群』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞(00年)、日本漫画家協会賞大賞(03年)を受賞。
07年には紫綬褒章を受章。
人生や生き方に関するエッセイも多く手がけ、『弘兼流60歳からの手ぶら人生』(海竜社)、『弘兼流60歳からの楽々男メシ』(マガジンハウス)、『一人暮らしパラダイス』(大和書房)などの著書がある。
本の目次
はじめに
第1章 やめて受け入れる
第2章 やめて自立する
第3章 やめてラクになる
第4章 やめて楽しむ
第5章 やめて幸せになる
本の要旨
35の「やめる」
著者がいっている「やめる」ことは以下の35です。
- 「年に逆らう」
- 「肩書」
- 「お金」
- 「健康」
- 「世間体」
- 「楽しみを後回しにする」
- 「変えられないこと」
- 「妻に求める」
- 「いい父親」
- 「介護の犠牲」
- 「人づきあい」
- 「正しさ」
- 「がんばる」
- 「ストレス」
- 「物忘れ」
- 「いい人」
- 「欠点」
- 「ため込む」
- 「服」
- 「本・DVD・CD」
- 「年賀状」
- 「お中元・お歳暮」
- 「葬儀」
- 「終活」
- 「常識」
- 「夫婦旅行」
- 「趣味と仕事」
- 「ケチな遊び」
- 「反省」
- 「ギャンブル」
- 「比べる」
- 「解決する」
- 「イライラ」
- 「孤独」
- 「成功」
35の「やめる」を私なりに一般化すると、こんな言葉になります。
- 執着しない
- こだわらない
- 見栄を捨てる
- しがらみを捨てる
- 不用なものは捨てる→モノへの執着をなくす
- 意味のないことはやらない
- 人の都合に無理にあわせない → 義理のつきあいをしない
- いい人を演じるのをやめる
- 今までの価値観を見直す
- フラットに考えること
- シンプルに生きる
- 改めて本質を理解する
「自分の人生に後悔しないために、他人ではなく自分のために生きること」
これが、ここまで著者が主張していたことです。
しかし著者の主張はこれだけでは終わりません。本当に言いたかったことが36番目にあります。
36番目 最後までこれだけは「やめない」
著者は35の「やめる」こと以上に36番目に1つのやってほしいことを語っています。
自分以外の誰かを1人でも多く幸せにする
人間の抱くほとんどの願望は、「なぜか?」で突き詰めていくと、「幸せになりたい」と言う一点に集約されると思います。
誰かを幸せにすることを優先すれば、幸せが連鎖して自分も幸せになる
やってほしいことつまり「やめない」でほしいことは、他人を幸せにすることです。
他人を幸せにすると、そのしあわせが連鎖して自分の幸せになると。
感想
「社会貢献」という言葉は、なかなか馴染めませんでした。
他人の幸せを求めると、自分に返ってくるとわかりやすい言葉で語っています。とてもシックリきてこれが「社会貢献」ということなのだろうと読みながら感じました。
サラリーマン時代は日々の仕事を処理するので手一杯でした。振り返って自省することがない30年余りでした。
定年退職になって時間的余裕もできましたので、35の「やらない」と他人の幸せについて深く考え実践していきたいです。
最後に著者の 弘兼 憲史 様、生き方と人の幸福について貴重な見解をいただきありがとうございます。
ますますのご活躍をご祈念申し上げます。