NordVPNの速度低下は【プロトコルの変更】で解決！

NordVPNの速度低下に悩んでいるあなたへ

NordVPNは、世界中のVPNサーバーに接続して、インターネットの通信を暗号化できる人気のVPNサービスです。 ただし、VPNを使用することで、通常の通信よりも速度が低下する場合があります。

「NordVPNを使い始めたけど、速度が遅くて使い短い……」
「動画やゲームを快適に楽しみたいのに、速度が遅くてストレス……」

そんなあなたに、NordVPNの速度低下を考慮した方法をご紹介します。

VPNの仕組みと速度低下の原因

VPNを使用すると、インターネットの速度が低下する場合があります。 これは、VPNがインターネットの通信を暗号化や復号化をすることによって、通信量が多くなり処理に時間がかかるためです。

まずは簡単にVPMの仕組みを見ていきましょう。

【VPNの仕組み図】

【送信】

1. デバイスはVPNクライアントを利用して、データを暗号化します。
2. 暗号化されたデータは、インターネットプロバイダーを経由して、VPNサーバーに送信されます。
3. VPN サーバーは、暗号化されたデータを復号化して、インターネット上にある目的のサーバーに送信します。

【受信】

1. 目的のサーバーはデータをVPNサーバーにデータを送信します。
2. VPNサーバーはデータを暗号化します。
3. 暗号化されたデータは、インターネットプロバイダーを経由して、デバイス（VPNクライアント）へ送信されます。
4. デバイス（VPNクライアント）は受信したデータを復号化します。

VPNクライアント、VPNサーバーが追加されるため、通信量が多くなり、処理に時間がかかるため、インターネットの速度が低下する場合があります。

テスト環境

• 端末デバイス：MacBookAir M2
• 端末からルーターまで：WiFi
• ルーター：NEC Aterm WX3000HP
• ホームゲートウェイ：NTT PR400NE
• 回線：NTTフレッツ 光ネクスト
• インターネットプロバイダー：BB.excite
• VPN：NordVPN
• インターネットスピードテストサービス：USEN GATE 02

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NordVPN未使用時の速度測定

VPN接続時の速度低下がNordVPNの導入によるものなのかどうかを考えて、NordVPNを使用していないときに速度を測定します。

測定には「USEN GATE 02」を使用します。

無料で下り・上りの速度、PING、JITTERが測定でき、結果が非常にわかりやすく表示されます。
操作は、「測定開始」ボタンをクリックするだけで測定するだけです。

著者の測定結果は図1のとおりです。

図1

著者の場合は下り（DOWNLOAD）155Mbps、上り（UPLOAD）94Mbpsと、十分な速度が出ています。

仮に、次の目安を下回るようであれば、【速度低減の原因】やリンク記事を参考にして原因を突き詰めて下さい。

用　　途	速　　度
テキストの受信	128Kbps～1Mbps
サイトの閲覧	1Mbps～10Mbps
動画の視聴	3Mbps～25Mbps
オンライン会議	10Mbps～15Mbps
オンラインゲーム	30Mbps～100Mbps

用　　途	速　　度
テキストの送信	1Mbps～
写真の送信	3Mbps～
動画の送信	10Mbps～

【速度低減の原因】

詳細は次の記事にまとめてありますので参考にして下さい。

NordVPNを使用した場合の速度を測定

先ほどの「USEN GATE 02」を使って測定してみます。

図2

結果は、下り（DOWNLOAD）1Mbps、上り（UPLOAD）27Mbpsと、NordVPN未使用時と比べて大幅に低下しました。

そこで下線の❻設置場所 ❽VPNプロトコル を変更して、速度が改善するか検証しました。
❼VPNサーバーも変更の対象になりますが、クライアントからはVPNの良し悪しは分かりませんので、今回は除外します。

「奨励プロトコルを使用」の意味がよく分からなかったのでサポートに問い合わせたところ次のような回答がありました。

When you have the connection setting on “Use recommended”, it will simply pick one of these protocols depending on how well your connection is working (If one fails, it will try a different one).

接続設定を「推奨を使用」にしている場合、接続がどの程度うまく機能しているかに応じて、これらのプロトコルの1つが選択されます (1つが失敗した場合は、別のプロトコルが試行されます)。

サーバーが状況に応じ自動で、プロトコルを切り替えているという意味です。

サーバーの設置場所を変更

変更方法は次のとおりです。

1. NordVPNアプリを起動
2. 地球マーク「  」をクリック
3. 「国リスト」の「Ausrralia」の右横にある「」クリック
4. 「Sydney」をクリック

オーストラリア（シドニー）に変更すると次のとおりになりました。
測定する前から予想はついていましたが、全く速度がでていません。

図3

できるだけ端末デバイスに近いサーバーを選択すべきです。

VPNプロトコルを変更

変更方法は次のとおりです。

1. NordVPNアプリを起動
2. 左下にある設定「 」をクリック
3. 「VPNプロトコル」で「NordLynx」を選択
4. 「接続解除」で一度切断
5. 「クイック接続」になるので、それをクリック

図4

図2の推奨プロトコルを使用するのと、あまり変わらない結果になりました。
「NordLynx」の詳細については次の記事が参考になります。

「NordLynx」はおすすめのプロトコルのようですが、このような低速の結果では使えませんね。

同じようにVPNプロトコルを「OpenVPN(UDP)」と「OpenVPN(TCP)」に変更して測定しました。

図5

NordVPNを導入しない図1以上の結果がでました。

図6

これはNordVPNを導入しない図1以上の結果がでました。

なお、「OpenVPN」については次の記事が参考になります。

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測定結果のとりまとめ

測定結果を一覧にします。

図	場 所	プロ トコル	下り	上り	PING	JITTER
			Mbps	Mbps	ms	ms
1	ー	未使用	155	94	16	0
2	東京	推奨プロトコル	1	27	127	2
3	シドニー	推奨プロトコル	1	0	252	2
4	東京	NordLynx	1	1	22	1
5	東京	OpenVPN(UDP)	303	84	23	2
6	東京	OpenVPN(TCP)	395	82	46	4

「推奨プロトコル」は原則「NordLynx」を使い、特別な場合に「OpenVPN」を使うのではないかと予想されます。

デフォルトで「推奨プロトコル」つまり「NordLynx」が選択されているため、サーバーが混んでいてスピードがでないのではないでしょうか。

結論

取りまとめ以外にも何回もテストをおこないましたが、似たような結果です。
「推奨プロトコル」と「NordLynx」の下りのスピードが0〜1Mbpsでは使い物になりません。

「クイック接続」を選択したのは近距離であまり混雑していないサーバーを自動で選択してくれるため、手動で選択するより迅速にすすめることができるためです。

まとめ

NordVPNは、インターネットの通信を暗号化してセキュリティを高めるVPNサービスです。ただし、VPNを使用することで、通常の通信よりも速度が低下する場合があります。

そこで、NordVPNの速度低下を抑える根本的な方法について、以下の2つのポイントをご紹介します。

• VPNサーバーの設置場所を近い場所に変更
• VPNプロトコルを変更

特にプロトコルを変更することでスピードアップできると、安全性が低下する傾向がありますので注意して下さい。