
Vrewは、AIによる文字起こしや字幕作成などを備えた動画編集ソフトです。文章を編集するような感覚で動画を編集できるのが特徴です。
MacでVrewを使っていますが、バージョン4.4.6になってから、編集画面の動作が明らかにもっさりするようになりました。
クリックしてからの反応が遅い。画面操作も以前のように軽快ではない。
そこで、Macの性能不足なのか、Vrew 4.4.6の問題なのか、原因を一つずつ調べてみました。
結論から書くと、私の環境ではVrewの「Rosettaを使用して開く」にチェックが入っていました。
このチェックを外してVrewを起動したところ、見違えるように動作が速くなりました。
使用しているVrewを確認
まず確認したのがVrewのバージョンです。
使用しているのは、Vrew 4.4.6です。
4.4.6に更新してから動作が遅くなったように感じたため、最初はVrewのアップデートによる不具合を疑いました。
しかし、最初からVrew 4.4.6が原因だと決めつけることはできません。
そこでMacの「アクティビティモニタ」を使って調べました。
メモリ不足ではなかった
最初に「アクティビティモニタ」→「メモリ」を確認しました。
Macで動いているアプリや処理が、CPUやメモリをどれくらい使っているか確認できるmacOS標準のツールです。Macやアプリが重いときの原因を調べるのに役立ちます。
Finder → アプリケーション → ユーティリティ → アクティビティモニタで起動します。
結果は次のとおりです。
- 物理メモリ:24GB
- 使用済みメモリ:約17.37GB
- メモリプレッシャー:緑
- スワップ使用領域:0バイト
- Vrew Helper (Renderer):約833MB
Vrew Helper (Renderer)が最も多くメモリを使用していましたが、833MB程度です。
しかもメモリプレッシャーは緑で、スワップも0バイト。
この結果から、少なくとも「メモリが足りないためVrewが遅くなっている」とは考えにくくなりました。
CPUにも十分余裕があった
次に「アクティビティモニタ」→「CPU」を確認しました。
Vrewを使用している状態でも、Mac全体のCPUは約87%がアイドル状態でした。
つまり、CPUの処理能力を使い切ってVrewが遅くなっているわけでもなさそうです。
一方で気になったのが、Vrew Helper (Renderer)です。
CPU使用率が約22~26%で推移していました。
そこでVrewを操作せず、約1分間放置してみました。
それでもVrew Helper (Renderer)は22~23%程度のCPUを継続して使用していました。
空の新規プロジェクトでもテスト
次に疑ったのが、編集中のプロジェクトです。
動画、画像、音声などを大量に使用しているため、プロジェクトそのものが重くなっている可能性があります。
そこでVrewで空の新規プロジェクトを作りました。
編集画面を開き、何も操作せず1分間放置。
その状態でVrew Helper (Renderer)を確認すると、
CPU使用率21.6%でした。
既存のプロジェクトとほとんど変わりません。
これで、特定のプロジェクトや動画素材だけが原因である可能性も低くなりました。
ここで気づいた「Intel」という表示
アクティビティモニタを詳しく見ると、非常に気になることがありました。
「種類」の欄です。
Vrew関連のプロセスが、
- Vrew:Intel
- Vrew Helper:Intel
- Vrew Helper (Renderer):Intel
と表示されていました。
ところがFinderの「アプリケーション」フォルダからVrewを選択して「情報を見る」を開くと、
種類:アプリケーション(Universal)
となっています。
Universalアプリなのに、なぜ実際に動いているVrewは「Intel」なのか。
ここが大きなヒントになりました。
原因は「Rosettaを使用して開く」
Vrewの「情報を見る」をもう一度確認すると、「Rosettaを使用して開く」にチェックが入っていました。
これを外してVrewを起動し直しました。すると――見違えるように速くなりました。
これまで感じていたVrewの「もっさり感」が大幅に改善しました。
私の環境では、これが原因だったと考えてよさそうです。
「Rosettaを使用して開く」とは?
Apple Silicon Macには、Intel Mac用に作られたアプリを動かすための「Rosetta」という仕組みがあります。
VrewのようなUniversalアプリには、Apple Silicon用とIntel用のコードを含めることができます。
通常、Apple Silicon MacではApple Silicon用のコードを利用できます。
ところが「Rosettaを使用して開く」を有効にすると、UniversalアプリでもIntel側として起動できます。
今回アクティビティモニタに「Intel」と表示されていたのは、この状態と一致します。
「Rosettaを使用して開く」のチェックを外したことで、Apple Silicon Mac本来のネイティブ側でVrewを動かせる状態になり、私の環境では操作速度が大幅に改善したと考えられます。
なぜチェックが入っていたのか?
ここについては分かりません。
自分で意図的に「Rosettaを使用して開く」を設定した記憶はありません。
Vrewのアップデートによって設定されたのか、以前からチェックが入っていたのか、それとも別の理由なのかは確認できていません。
したがって、「Vrew 4.4.6にアップデートすると自動的にRosettaがオンになる」とは言えません。
今回確認できた事実は、
私のMacではVrew 4.4.6が遅かった
↓
VrewはUniversalアプリだった
↓
しかし実行中プロセスはIntelと表示されていた
↓
「Rosettaを使用して開く」にチェックが入っていた
↓
チェックを外した
↓
Vrewが見違えるほど速くなった
というところまでです。
Vrew公式は4.4.6の遅延についてコメントしている?
Vrewの公式情報も調べました。
調査した時点では、
「Vrew 4.4.6でMac版の動作が遅くなる」
「Vrew Helper (Renderer)のCPU使用率が高くなる」
といった4.4.6固有の問題について、Vrew公式から明確な告知は確認できませんでした。
そのため、今回の現象を「Vrew 4.4.6の既知の不具合」と断定することはできません。
同じ症状の人に確認してほしいこと
Apple Silicon搭載MacでVrewが急に遅くなった場合は、再インストールなどを行う前に、まず次の設定を確認してみる価値があります。
- Finderで「アプリケーション」を開く
- 「Vrew.app」を選択する
- 右クリックして「情報を見る」
- 「種類」が「アプリケーション(Universal)」になっているか確認
- 「Rosettaを使用して開く」を確認
- チェックが入っていたら外す
- Vrewを終了して、もう一度起動する
- アクティビティモニタの「種類」も確認する
ただし、すべてのVrewの遅延がRosettaによるものとは限りません。
プロジェクトの規模、素材、macOS、Vrewのバージョンなど、別の原因も考えられます。
まとめ
今回、Vrew 4.4.6が遅くなったため、最初はメモリ不足やCPU負荷、プロジェクトの重さなどを疑いました。
しかし検証すると、
メモリプレッシャーは緑。
スワップは0バイト。
CPUは約87%アイドル。
空の新規プロジェクトでもRendererは約21.6%。
Macの性能不足や特定プロジェクトだけでは説明しにくい状態でした。
そして最終的に見つけたのが、「Rosettaを使用して開く」でした。
チェックを外してVrewを起動すると、私の環境では見違えるほど速くなりました。
Apple Silicon MacでVrewを使っていて、「最近Vrewが妙に重い」「以前よりもっさりする」と感じている人は、一度「情報を見る」の「Rosettaを使用して開く」を確認してみてください。
なお、今回の結果は私のMacでの検証結果です。
Vrew 4.4.6そのものにパフォーマンス上の不具合があると確認されたわけではありません。また、「Rosettaを使用して開く」がなぜ有効になっていたのかも現時点では不明です。
それでも、原因を探して何時間も設定を変更する前に、数秒で確認できる項目です。
今回のような症状が出ているなら、最初に確認する価値は十分にあると思います。
