先日前立腺の関係で血液検査をしました。
前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA値が4.08ng /mL、4.0以上で前立腺ガンの疑いがあるという。
その後MRI画像診断でガンの兆候は見当たらない、つまりガンではないと担当医から言われ、一安心。
ただガンの疑いがあると言われてからガンではないと言われる間、3日間は宙ぶらりんの状況で不安でいっぱいでした。
そんなこんなあったその時の気持ちを少し書いてみます。
ランニングの途中でトイレに
40代半ばからランニングを趣味にしていました。コロナ禍の前までは年間に何十回とマラソン大会にも出場していました。
3年ほど前のある日、3時間走をしていた時のことです。
走る前にトイレにいけば、途中でトイレに行きたくなることはまずなかったのですが、その時は2時間ぐらいで尿意を催した。
その時は意識もしなかったのですが、その後時間の経過とともに尿意間隔も短くなっていました。
泌尿器科を受診
ネットで「頻尿」について調べてみたところ、前立腺肥大症かなと。
近くの泌尿器科を受診、自覚症状の確認・尿検査・残尿測定・血液検査をおこないました。
検査の結果は「ガンの心配はない、前立腺が肥大しています。通常であれば体積が20cc以下のところ30cc近くあります。」でした。
前立腺肥大症は簡単に言えば、前立腺が大きくなることによって尿道を圧迫して頻尿などの尿トラブルがおこる病気です。
軽症という診断のため薬物治療を始めました。
薬を飲み続けると20から30%程度、前立腺は小さくなるそうです。
後から知ったのですが、飲むのをやめると、また大きくなるというのです。
ということは小さく維持していくには、ずっと飲み続けなければいけないということです。
死ぬまで飲み続けなければいけないのです。
「先生!飲み始める前に言ってよ。」
「これじゃ高血圧の薬と一緒ですよ。」
自分勝手な思いかもしれませんが、一生飲み続けるのは体にとって「百害あって一利なし」と思っています。
1年ほど通院しましたが、改善もあまり見込めませんでしたので、投薬は中断しました。
通院を止めた後の経過
年を取ると不都合なことが色々起きてくる。
腰が痛い、肩が凝って上がらない、膝が痛い、名前が思い出せないなど、認知系以外は痛みが伴う。
痛みが伴うから医者に行くとなるが、
前立腺肥大は痛みが伴わない。
私の場合はただ頻尿が日に日に激しくなっていった。
まあ薬は飲まず、前立肥大のための治療をしなかったため、なるべきしてなったのです。
先日もこんなことがあった。
ある会議でのこと、1時間半余りで会議は終了、その後「関係者全員での記念写真をすぐ取りますから並んで下さい。」と事務局から言われたが、我慢ができない。
記念写真は結構時間がかかる。万が一のことがあってはたまらない。
急いでトイレに向かったが、前後して同類の輩が入室して一言、
「私も近くてね。」と声をかけられ、情けなく何も言えなかった。
こんなことでお互いの傷口を舐め合うのはいやだ。
ガンの疑い
自分の体に勝手に乗り移り、気がついたときには自力では回復することができなくなっている。
こんな状態が前立腺肥大です。
素人考えだが薬は使わない場合は、手術しかないな。
「もう一度病院にいって手術をしよう。」こんな気持ちになったのは1日に10回以上トイレに行くようになったからだ。
問診の場で先生に手術をお願いする予定でしたが、先生からは予想外の一言
「検査の結果、ガンの疑いがあります。」
「総合病院でMRI画像検査を受けて下さい。」
「PSA値4.08ng /mLあります。4以上で前立腺ガンの疑いがありますので、MRIで詳細な検査をしましょう。」
「4.08ですからガンの可能性は低いですが、基準値4以上ですから念のためです。」
ガンという言葉で、手術のことは吹っ飛びました。
健康診断で精密検査要といわれたこともない身としては、頭が真っ白です。
ガンであるといわれたわけではないのですが、ガンかどうかわからないグレーな状況は、それはそれでストレスが貯まり辛いです。
診察は個人の泌尿器科専門医院、専門医院ではMRI検査施設がないので、MRI検査は近くの総合病院で3日後におこなうことになった。
今から思えばこの3日間が辛かった。
どっちつかず、宙ぶらりん、不安でいっぱい。
早く「ガンではありませんでした。」という答えが欲しい。
でも「ガンです。」と言われたらどうしよう。
正しい知識を得る
3年ほど前から前立腺肥大になっていたため、それなりに知識はもっているつもりでした。
PSA検査、治療法、薬の種類、前立腺肥大の手術方法、前立腺ガンなどなど前立腺の知識については、ほとんど知らなかったのです。
夜中に目が冴えてしまって眠れません。
ガンと言われたらどうしよう。怖い。
不安を振り払うためにネット記事を読みあさった。
重要と思われる事項をいくつもメモした。
もんもんとしながらも、いろいろ調べていくうちに、ガンについて正しい知識を持つにつれて、気持ちが少しずつ安らいできた気がしてきました。
ここで得たのは医療知識だけではなく、以下のことをやると気持ちが和らぐことを教えられました。
- 情報を集める。
- 家族や親友に、感じたことを打ち明ける。
- 仲間を見つける。
- セカンドオピニオンにあたってみる。
- がん相談支援センターに相談する。
- ガン=死ではない。
- 人生を見直すチャンスと考える。
本や記事を読んでいると、時間の経過とともに気持ちが少しずつ和らいできたような気がします。
MRI検査結果、ガンはなかった
通常であればMRI検査を総合病院で受けて、その日のうちに検査結果の書類を持って専門医院へ行けば説明を聞くことができる。
MRI検査は早くて1週間後という話でしたが、3日後に予約がとれました。
それはよかったのですが、検査時間が午後2時からで、その日の専門医院の診療時間は午後3時まで。
翌日は休診。検査結果が分かるのは検査から2日後です。
それは生殺しのようです。
不安とストレスいっぱいで2日間を過ごすのか。
「冗談はよしてくれ。」ですがなんともなりません。
なんとか検査当日に結果を知りたい。
「早めに行けば検査も早く受けられるかも」と自分勝手な思いが巡り、だめならあきらめるということで、30分以上前に病院にいきました。
検査も無事終わり、検査結果の書類をもらったのが午後2時50分、ダメもとで専門医院に電話すると、「3時前に来られるのなら、ぞうぞ。」
「オー、ラッキー!」
急いで先生の問診を受ける。
先生も私が不安がっているのが分かるのか、「結論からいうとガンはありませんでした。」と一言、
心のなかではそれを待っていましたが、その後は何も質問せずに診察室を後にしました。
今から思うと、画像の内容について少し聞いておけばよかったという気がしますが、今後は前立腺肥大の治療のなかでいろいろ聞いていこうと。
それよりも無意味に不安がらないで、情報を収集して知識を身につける。
これ以上の不安解消はないことを知った出来事でした。