【書評】『還暦からの底力 – 歴史・人・旅に学ぶ生き方 』出口 治明 著 「年齢フリー社会」の実現に向けて 

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私は2020年現在、60歳還暦です。そんな折、この本『還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方 』は以前から書店で平積みになっているので気になっており、一読してみました。

最近、流行っている定年本のひとつかと思っていましたが、さにあらず、タイトルは出版社とか別の人が決めたんじゃないかなと思うような本でした。
最初、「看板に偽りあり」とは思いましたが、読んでいくうちに、内容にのめり込んでしまいました。

著者の基本的な考え方(人生観)が非常にわかりやすくまとめられています。世代に関わらず一読をおすすめいたします。

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目次

本の基本情報

書 名 『還暦からの底力 – 歴史・人・旅に学ぶ生き方 』
著 者  出口 治明(でぐち はるあき)
発行所 株式会社 講談社 
発行日 2020年6月1日

著者の紹介

1948年 三重県に生まれる、京都大学法学部卒
1972年 日本生命相互会社入社、国際業務部長などを経て2006年に退社
2006年 ネットライフ企画株式会社を設立、
2008年 ライフネット生命保険株式会社と社名を改名し、社長に就任する
2018年 立命館APU学長に就任

おもな著書に『「全世界史講義上・下』(新潮社)、『部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書』(KADOKAWA)、『教養は児童書で学べ』(光文社新書)、『人類5000年史1』(ちくま新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『座右の書 『貞観政要』』(角川新書)などがある。

本の目次

はじめに
第一章 社会とどう向き合うか
第二章 老後の孤独と家族とお金
第三章 自分への投資と、学び続けるといううこと
第四章 世界の見方を歴史に学ぶ
第五章 持続性の高い社会を子供たちに残すために
おわりに


本の要旨

「年齢フリー社会」

本書の根幹をなるキーワードが「年齢フリー社会」です。著者が言う「年齢フリー社会」とは年齢に制限を設けないということです。年齢に関係なく、好きなことにチャレンジすることです。そのことが健康寿命を伸ばすことになる。

特に定年制については強制的に仕事を止めさせる制度であるので、廃止を強く訴えています。定年制を廃止することによって辞めたい時に止めれるようにすることです。誰もが60歳や65歳で一律に仕事を辞めるのはおかしい。

また同じような考え方で「性別フリー」とも言っており、年齢や性別こだわらない社会形成が重要です。

「老後の孤独」

最近流行りの定年本には「老後の孤独」についてよく書かれています。よくあるのは老後は趣味を持ちましょうとか、地域コミュニティーと積極的に関わりましょうといったことが多く書かれています。

著者の「老後の孤独」についての見解は鋭いです。原因は本人ではなく日本の雇用制度に問題があると言っています。つまり一括採用、終身雇用、年功序列、定年などの労働慣行によって、サラリーマンを一律に働かせていると。

このような労働環境では仕事オンリーになって、趣味を持つこと、地域社会と関わることが全くない人を大量に作ったのです。そのような人が老後になって趣味を持ちましょうとか、地域コミュニティーと積極的に関わりましょう言ったところで、安々とできるものではありません。

本人が悪いのではない。一括採用、終身雇用、年功序列、定年などの労働慣行を改めないと「老後の孤独」が改善されることはない。

学びについて

学びにも年齢は関係ない。一生継続していくものであると著者は言っています。
教育の目的は自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見が、言えるような人間を育てること言っています。

良い社会をつくるには一人ひとりが知識を蓄え、考える力を養っていかなければならない。

少子化問題

一番の原因は出生率が低いことです。ではなぜ出生率が低いのか?男女差別があるからと。
「毎日家事や仕事でこんな忙しいのに旦那はなにも手伝いしてくれない。子どもができたら育児はすべて私がやらなきゃいけないの?こんな状況で子どもがつくれるわけがない。」と

介護は制度が確立してきましたが、育児はまだまだ個々の負担が大きいように感じます。社会全体で面倒を見ていける制度が必要です。
男女差別をなくさない限り少子化問題の解決も社会の進歩もありません。性別フリー社会の実現です。

感想

年齢フリー社会」が著者の言いたいことの8割以上をあらわしています。高齢者でもいろいろな人がいます。90歳でも元気でバリバリ仕事をしている人。100歳で大金持ちの人。そんな人にも年金を支給する必要があるのか?。

必要ありません。そんなことをするぐらいなら母子家庭で困っている女性に支援を手厚くしてあげたほうがいいです。
そういう意味で年齢は関係ないんだ。本当に困っている人を支援する社会「年齢フリー社会」いう著者のシンプルでわかりやすい考え方は共感します。

次に「定年廃止」です。働くのも自由、遊ぶのも自由、学ぶのも自由という著者の根本の想いがあるのではないでしょうか。能力があり80、90歳まで働きたいのなら働かしてあげればいいではないかと。それが社会のためにもなり、本人の健康寿命も伸びることになる。ウ~ン一理ありますよね。

最後に少子化問題です。または「性別フリー社会」の実現です。
まずは男性が家事に積極的に関わることです。男は仕事、女は家事はもう古いです。
それと介護制度のような社会全体で育児を支援する制度の確立が求められます。

最後に私の感想を凝縮しました。

若者や老人である前に人間であれ。
サラリーマンである前に人間であれ。
男や女である前に人間であれ。
年齢フリー、仕事フリー、性別フリーを

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