半年ほど前にウルトラワイドモニター(34インチ)を購入して、M2のMac Book air の外部モニターとして使っています。
このウルトラワイドモニターを3分割すると、Macと合わせて4つの画面で使用できるので、作業効率が大幅にアップしました。
しかしながら、M2のMac Book Airは1つの外部モニターのみ対応という制限があり、以前から持っていたポータブルモニター(16.5インチ)は使い道を失いました。
ポータブルモニターを売却するか迷っていましたが、Air Playを活用すれば第2の外部モニターとして機能することを発見しました。
その鍵となるのが「Fire TV」と「AirReceiver」というアプリ。
これらの組み合わせで、Macの画面を拡張ディスプレイとして利用することができます。
さらに快適な操作のためには、Bluetoothキーボードの接続もオススメです。一見複雑そうに見えますが、実際には誰でも簡単に設定できます。この記事を通じて、その設定方法を詳しく解説します。さあ、あなたのAppleライフを一段と豊かにする新たな可能性を、一緒に探しましょう。
パソコンの画面拡張とは
パソコンの画面を複数のディスプレイに拡張するための便利な機能です。
これにより、各ディスプレイで異なる作業を行ったり、一つの作業を広い画面領域で行ったりすることが可能になります。
例えば、一つの画面で映画を視聴しながら、別の画面で作業を進めることが可能です。これはマルチタスクを容易にし、生産性を高めることができます。
M1・M2 MacBook Airは標準では、2画面にしか対応していない
M1及びM2のMacBook Airは、デフォルトでは外部モニターを1台しか接続することができません。
Mac本体と合わせて2画面まで使用が可能です。
しかし、3画面以上を利用したい場合、次の3つの手段が選択できます。
- DisplayLinkに対応したUSBハブかドッキングステーションを使う。
- 映像出力デバイス(Apple TV、Amazon TV)を使う。
- 3台目がiPadであれば、MacのSidecar機能を活用する。
今回は、これらの中から❷番目の「映像出力デバイスを使う」方法について試してみます。
使用環境
私の使用環境を公開します。参考にして下さい。
区 分 | メーカー | 機 種 | 仕 様 |
パソコン | Apple | MacBook Air | M2 13.6inch 24GB |
外部モニター1 | LG | エルゴノミクススタンド モニター 34WP88CN-B | 34.5inch 3440×1440 UltraWide |
外部モニター2 | ASUS | モバイルモニター MB16AH | 15.6inch 1920×1080 |
ドッキング ステーション | CalDigit | CalDigit TS4 | Thunderbolt 4接続 |
映像出力デバイス | Amazon | Fire TV Stick 4K Max | 4Kまで対応 |
ソフトウェア | longfanger | AirReceiver | AirPlayをサポート |
変換アダプター | UGREEN | Micro HDMI延長ケーブル | Micro HDMI to HDMI変換 |
位置 | 配線 | 形態 |
① | 有線 | Type C – Type C |
② | 有線 | Type C – Type C |
③ | 有線 | HDMI – Micro HDMI |
④ | 無線 | Wi-Fi |
1台目のモニター(外部モニター1)への接続には①及び②のの配線形態を使用します。
私の場合、多機能性を求めて多目的に使用できるドッキングステーションを設置しています。
単に1台の外部モニターにだけ接続できればよいのであれば、映像用のType C – Type Cか、モニターにType Cのコネクターがなければ次のようなHDMI – Type C変換アダプターを使えば安価に接続できます。
2台目のモニター(外部モニター2)に接続するために、今回はFire TVを使ってWi-Fiで接続します。
設定手順
Fire TV Stick 4K Max
Fire TV Stick 4K Maxとは
Amazonが開発したストリーミングメディアプレーヤーです。Fire TVをテレビや外部モニターのHDMIポートに接続するだけで、パソコンがなくでも解像度最大3840×2160(4K)でインターネットで動画や映画を見ることができます。
さらにミラーリングや画面拡張機能があり、パソコンやスマホの画面をテレビやモニターに映し出すことができます。
Fire TVをテレビやモニターへ接続
【事前確認】
- Wi-Fi環境の確認
テレビがWi-Fiに接続されている必要はありません。 - Amazonアカウントの確認
Amazonアカウントを持っていない場合は、パソコンかスマホで登録して下さい。
【接続手順】
- USB電源ケーブルとFire TVを接続
- リモコンに付属の電池をセット
- 画面の指示に従い設定
詳しくは次の公式のクイックスタートガイドを御覧下さい。
重要なポイントとして、WiFiには2.4GHz、5GHzの周波数帯が定められています。
2.4GHzは5GHzに比べて接続は安定していますが、速度が遅く家電などの電磁波と干渉が起こりやすいです。
一方、5GHzは2.4GHzに比べて速度は速く家電などの電磁波と干渉は起こりませんが、壁などの障害物に弱く通信が不安定になることがあります。
以上の点を踏まえて、SSIDを選択して下さい。
次にWi-Fiルーターのパスワード(暗号化キー)が求められます。
初期設定の値はWi-Fiルーターの側面などに記載されています。
さらにAmazonアカウントでサインインが求められます。
Fire TVを開始
- テレビやモニターの電源を入れる。
- リモコンの電源ボタン かホçボタン を押す。
Fire TVを終了
- テレビやモニターの電源を切る。
30分後にFire TVは自動終了します。
または
- ホーム画面からホームボタン を長押し
- スリープをクリック
Fire TVを再起動
次の3つの方法があります。
- メニュー画面から再起動
- リモコンで再起動
- 電源コードを外し3秒以上待って、入れ直して再起動
【メニュー画面から再起動】
- 初期メニュー画面を表示
- 設定 をクリック
- 画面下にあるマイFire TVをクリック
- 再起動をクリック
【リモコンで再起動】
リモコンの「選択」ボタンと「再生/一時停止」ボタンを同時に3秒以上長押しします。
電源を入れてもFire TVが起動しない場合
項目「Fire TVを再起動」の「電源コードを外し3秒以上待って、入れ直して再起動」をおこなうと、大方表示することができます。
AirReceiverを導入
標準機能でApple製品(Mac、iPhone、iPad)をFire TVを使って、ミラーリングや画面拡張をすることはできません。
この問題を解決するために、AirReceiverというアプリを利用します。有料ですが、AirReceiverはストリーミングレシーバーアプリとして高機能を備え、AirPlayやDLNAなどの規格をサポートしています。
これにより、iPhone、iPad、MacなどからFire TV へ簡単に画面や音声を送ることができます。
AirReceiverはミラーリングだけでなく、画面拡張もサポートしています。
これにより、Macの画面をFireTVStickを介してテレビに映し出すことが可能になります。
インストールはFire tvの画面かAmazonウェブサイトのどちらかでおこないます。
Fire tvからインストール方法
- Fire TVのホームボタンを表示
- 検索ボタン(虫めがねマーク)をクリック
- 入力欄に「AirReceiver」と入力し検索
- AirPlay&UPnpをクリック
- カートに入れるをクリック
- 購入をクリック
- 開くをクリック
- 許可をクリック
Amazonウェブサイトからのインストール方法
- 上記のAmazonで見るをクリック
- 配信先がFire TVであることを確認
- 1-Clickでダウンロードをクリック
AirReceiverの初期設定方法
- インストールが終了すると「全般設定」が表示
- 「AirPlay」のみにチェックを入れる。
- デバイス名をクリック
- 名前らんにカーソルを移動してクリック
- 覚えやすい名前に変更
Macで画面ミラーリングを設定するときの名前になります。 - 次へをクリック
- OKをクリック
初期設定以外で変更したい場合は、次のとおり「全般設定」を表示して変更します。
- ホーム画面表示
- 「設定」をクリック
- アプリケーションをクリック
- インストール済みアプリを管理をクリック
- AirReceiverをクリック
- アプリを起動をクリックで「全般設定」が表示されます。
Macの設定変更
- AirPlayを有効化
- ミラーリング有効化
- 拡張ディスプレイに変更
以上の3つの設定をおこなって下さい。
「AirPlayを無効化(解除)」はFire TVの画面に戻る時におこないます。
AirPlayを有効化
- 左上のアップルメニュー をクリック
- システム設定…をクリック
- 一般をクリック
- AirDropとHangoffをクリック
- 「AirPlayレシーバー」をオン
- 「AirPlayを許可」で「現在のユーザ」を選択
個々の状況により別選択でもOKです。
ミラーリング有効化
- 画面右上にあるコントロールセンター をクリック
- 画面ミラーリングをクリック
- Fire TV デバイス名をクリック
拡張ディスプレイに変更
- 左上のアップルメニュー をクリック
- システム設定…をクリック
- ディスプレイをクリック
- Fire TV デバイス名が表示されてことを確認
表示されない場合はミラーリングが有効化されていません。 - 「使用形態」を「拡張ディスプレイ」に変更
AirPlayを無効化(解除)
- 左上のアップルメニュー をクリック
- システム設定…をクリック
- ディスプレイをクリック
- Fire TV デバイス名のモニター画像をクリック
- 接続解除をクリック
Fire TVの便利な設定
スマホアプリをインストール
Amazon Fire TV用のアプリがあり、これを使うとiPhoneがリモコンとして機能します。このアプリを利用することで、文字入力がより簡単になります。
Bluetoothキーボードを接続
あなたが使っているキーボードがBluetooth対応であれば、Fire TVでそのキーボードを使用することができます。
事前にキーボードをペアリングモードに設定する必要がありますが、これはキーボードごとに手順が異なるため、製品のマニュアルなどを参照して設定して下さい。
設定手順は次のとおりです。
- AirPlayを無効化(解除)
- Fire TVのホーム画面を表示
- 設定(歯車マーク)をクリック
- コントローラーとBluetoothデバイスをクリック
- その他のBluetoothデバイスをクリック
- Bluetoothデバイスを追加をクリック
また、マウスも接続できますが、Fire TVではマウスポインタが表示されないため、使用する意味が明確で使用する意味がわかりません。
課題点
Fire TVを最初に接続した際、モニターの画面がぼやけて見えたことがありました。これはモニターの解像度とAirReceiverのデフォルト解像度が一致していない可能性があります。
また、マウスポインタの反応が遅延することもありました。これはWi-Fiの接続状況による可能性もありますが、一部のタイミングでは改善していました。
これらの問題は以下の設定変更で解決したように思われます。
- ホーム画面表示
- 「設定」をクリック
- アプリケーションをクリック
- インストール済みアプリを管理をクリック
- AirReceiverをクリック
- アプリを起動をクリックで「全般設定」が表示
- 詳細設定をクリック
- デバイス解像度をクリック
モニターの解像度(1920×1080)に変更
まとめ
Fire TVでAppleデバイスの画面ミラーリングや画面拡張を実現するには、AirReceiverというアプリが便利です。iPhoneやMacからFire TVへのストリーミングが可能になります。
インストールと初期設定は簡単で、Fire TV本体からおこなえます。また、Macの設定を変更してAirPlayを有効化し、ミラーリングや拡張ディスプレイを選択すればOKです。さらに、Fire TVにBluetoothキーボードを接続すれば、操作がより容易になります。
ただし、モニターの画像がぼやけたり、マウスポインタの反応が遅延するなどの問題がある場合は、AirReceiverの「詳細設定」からデバイス解像度を調整すると改善されるかもしれません。