50代、60代の人、老後の資産形成の前に財産や負債の現状把握できていますか?

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昨年(2009年)に2,000万円問題が話題になりましたよね。
わたしは2年後に会社を定年退職になります。ニュースを見ていると非常に心配になります。
「投資をしろ」と言われても国債を少し持っている程度です。やはり株式や投資信託を買ったほうがよいのでしょうか?

結論をいいますね。現在の財産状況を整理して下さい。
それをしっかりやらないと、なにも始まりません。
整理したうえで必要なら投資も考えて下さい。

2,000万円問題でいわれているのは、統計上の数値をもとにしています。あなたの状況とかなり違っている可能性は大いにあります。
統計上の平均値をもとにした話を聞いて無用な心配はする必要はありませんよ。
投資は老後資産を確保するための手段のひとつにすぎません。老後の投資はできるだけ避けたほうがいいです。
わたしも2,000万円問題があってから気になったので、いろいろ調べてみましたので参考にして下さい。

目次

「資産管理簿」の作成

様式のダウンロード

自分でやってみることが大事です。家計簿ソフトなどもありますが、財産をリストアップすればいいだけなので、自分でエクセルなどの表計算ソフトを使って作って下さい。

と言うものの簡単なひな型がありましたので参考にして下さい。
金融広報中央委員会に「家計の資産管理簿」というエクセルファイルがありました。マクロを組んだ複雑なものではなく、単純なシートです。

「資産負債総括表」「普通預貯金管理表」「定期預貯金管理表」「有価証券管理表」「各種保険管理表」「クレジットカード・借入金備忘録」の6つのシートがあります。
各シートで計算した合計値が「資産負債総括表」に転記され、純資産額が計算されます。

そのまま使ってもいいですし、様式を使いやすいように変更しても計算式は単純ですので悩むことはないと思います。

私は項目が2段になっているのは使いにくいので、1段にしてして使っています。

財産の取りまとめ

以下の項目をチェックして「家計の資産管理簿」に記入していきます。

  • 普通預金の残高
  • 定期預金証書の現在高
  • 有価証券の時価額
  • 保険証書の解約返戻金の金額
  • 住宅ローン等残高
  • その他の借入金の残高

注意してほしいのは自分名義の分だけではなく、生活を共にしている世帯員全員の名義のものすべてです。

事前に、普通預金の残高確認は関係するすべての金融機関で記帳して下さい。
定期預金は自動継続のものは預かり金額ではなく現在高(残高)を記入して下さい。

株式・債券・投資信託などの有価証券の現在価格は証券会社のホームページで調べて下さい。

保険は現在契約を解除した場合の額、つまり現時点の解約返戻金の金額を記入して下さい。
現時点の資産額をとりまとめてるのですから、死亡保険金額とか将来もらえる個人年金の総額などは記入しないで下さい。

有価証券についても現在の評価額です。ネット証券などで紙の証書が発行されていない場合は、最寄りのホームページで確認下さい。

現在はネットですべてわかります。紛失している証券などがあるかもしてませんので。今一度確認して下さい。

それから、田舎のある人は田舎の金融機関に自分名義の通帳がないか確認して下さい。

負債の取りまとめ

住宅や自動車の残高です。その他借入金があれば確認下さい。

純資産の計算

純資産額は以下の式で求められます。この純資産額があなたの世帯が現在保有している貯蓄額の総額になります。

【純資産】=【資産】ー【負債】

統計上の数値

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和元年調査結果
各種分類別データ(令和元年)
per21901.xls


シート[0004]に以下のように記載されています。
金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
60代平均1,635万円、中央値650万円

シート[0030]に以下のように記載されています。
借入金残高(借入金有無回答世帯)
60代平均478万円、中央値0万円
中央値というのは有効標本数3,224を金額順に並べて、3,224の半数1612番目と1613番目の平均の値になります。つまり真ん中の金額が中央値になります。

金融資産保有額ー借入金残高=純資産額
平均値で1,157万円、中央値で650万円
平均値は金額の大きい人に引っ張られて高い値がでてしまいます。現状に近いのは中央値のほうでしょう。

単年度の収支はどうなっているのか

総務省「家計調査年報(家計収支編)2019年(平成元年度)家計の概要」「総世帯及び単身世帯の家計収支」「高齢夫婦無職世帯の家計収支」にデータがあります。

ポイントは
収入237,659円(社会保障給付216,910円、その他20,749円)
支出270,929円(消費支出239,947円、非消費支出30,982円)
不足額33,270円

65歳から年金生活が始まり90歳まで生存するとして30年の生活費が必要になります。
33,270円 ✕ 12ヶ月 ✕ 30年 = 11,977,200円

30年間で約1千2百万円必要になります。

今後の方針を検討

30年間で不足する生活費合計12,000,000円 ー 純資産額6,500,000円 = 5,300,000円が不足することになります。
以下の手段で不足額を確保することを考えましょう。

  1. 働く
  2. 年金の見直し
  3. 不動産の売却
  4. 相続
  5. 投資

60歳でこのような状況であれば働くのが一番堅実です。
10万円/月 ✕ 12ヶ月 ✕ 5年 = 600万円
5年間働けば530万円の不足は解消されます。

次は年金です。まずは「繰り下げ受給」を検討しましょう。人によっていろいろ考え方がありますが、70歳・75歳まで年金を受給しなくても生活費がまかなえるのなら、「繰り下げ受給」をおすすめします。

月額0.7%アップ、1年で8.4%増額、5年で42%増額、10年度84%増額します。
健康に自信のある方はご検討下さい。

今回の計算の中には土地などの不動産のことは全く考慮されていません。
もし不動産を所持しているのであれば、その活用、売却、相続などを総合的に検討して、必要であれば老後資金のひとつに加えて下さい。

今後、親からの相続がある場合は相続額を見込んでおきましょう。それを自分の老後資金に使うのかどうするのか、検討しましょう。
また、先々自分の子になにを相続すべきかそろそろ考えておく必要もあるでしょう。

投資は最後の最後です。投資はいままで述べた手法よりもリスクが高いです。
老後資産の確保のために投資をすることは、やはり危険です。
投資は余裕資金でやって下さい。

いずれにしても今回示したのは統計上の話でしかありません。個々の事情が大きく違っています。
重要なのは「資産管理簿」を作成して、今現在どれだけのお金が余っているかを把握することです。

把握できた「ライフプラン表」を作成して、年次ごとに収支状況を調べてみます。そうすることで年ごとの状況が把握できます。
これについては次の記事で確認して下さい。

まとめ

まとめは1点です。

この試算はできるだけわかりやすくするために、統計上の数値を使いました。事情は人それぞれ違います。

自分の資産残高をすぐに調査して下さい。

それをやらないと、なにも始まりません。

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