
田舎で80代の両親が暮らしています。父は2年前に認知症と診断され、母が在宅介護しています。
最近、その母の物忘れがひどくなってきました。自立しての生活がおぼつかない状況です。
「認認介護」になるようで非常に心配です。
わたしは、若いときから都会で就職していて両親とは別居しています。近くに姉がいますので、今のところはなんとかなっています。
定年退職まで4年あります。親の面倒は見ていきたいと思いますが、仕事も大事です。田舎に帰っても50代ですし思うような仕事につけるとは思いません。
遠距離介護をしていこうと思います。ドバイスをお願いします。

私は妻と2人で母親を在宅介護をしています。そのなかでの私の考えなのですが、介護にはゴールが見えません。目標設定などできないのです。
親の介護も大事ですが、自分の生活も大事です。
やれる範囲でやっていくしかない。できることをできる範囲でやるしかないのです。

自分を追い詰めないことが重要ですよ。
そのためには「介護保険制度」などいろいろな制度が充実しています。
そのような制度を知ることで、遠距離介護をうまくやっていく助けになります。
介護者・被介護者とも認知症を発症している状態で介護をしていること
社会の状況
厚生労働省の「「国民生活基礎調査」の概況」に主な介護者の状況が示されています。要点を表にしました。
2019年 | 2016年 | 2013年 | 2010年 | 2007年 | 2004年 | 2001年 | |
介護をしている家族のうち別居家族等の割合 | 13.6% | 12.2% | 9.6% | 9.8% | 10.7% | 8.7% | 7.5% |
別居家族等がイコール遠距離介護者とは言えませんが、徐々に増えているのがわかります。
介護に当たっての事前確認
遠距離と言えども、介護を始めるなら以下のことについて、事前に確認しておくことが必要です。
- 親の希望
- 兄弟姉妹の希望
- 妻の希望
- 自分の想い
- 親の生活状況
- 親の経済状況
- 親の家の状況
- 親の友人等の人間関係
- 介護サービスの情報収集
- かかりつけ医
- 地域包括支援センターやケアマネージャー
- 町内会、民生委員
介護は抱え込まないことが肝要です。遠距離介護ならなおさらです。度合いは違いますがいろいろな人が介護に関わっています。
関係する人の意見を聞き、自分や家族がやれることを決めていきます。
- 自分や家族がやること
- 兄弟姉妹にお願いすること
- 上記以外にお願いすること
大まかで結構ですから、関係する人の意見を聞いたら自分の想いを見直します。そして上の3つの分類にまとめて、役割を決めてます。
大事なのは自分や家族の役割をはっきりさせて、関係する人に伝えることです。
介護は先がみえませんので、今後、思いもしなかったことが起きます。その都度、役割を再確認します。
いろいろな介護サービス
- 介護保険制度
- 介護休暇制度
- 見守りサービス
- 介護用見守りカメラ設置
- 配食サービス
- おむつの助成
- ゴミ出しサービス
- 家のバリアフリー化補助
- 交通費割引制度
「介護保険制度」
「介護保険制度」は高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして2000年より始まりました 。介護の根幹を成す制度です。その後「地域包括ケアシステム」の導入などがあり、制度の充実が図られています。
「介護保険制度」で最も確認しておきたいのは、各種介護サービスの内容です。介護サービスには大まかに分けて
- ・居宅サービス
- ・施設サービス
- ・地域密着型サービス
があります。この3つのサービスについては十分に理解しておきましょう。
「見守りサービス」
「見守りサービス」は遠距離介護に取っては重要なサービスになります。介護保険対象外ですからサービス内容と料金に注意しながら調べて下さい。
介護者のうち別居家族等の割合が年々増加している状況ではますます需要が増えてくるでしょう。主なサービスなどをあげると、
「郵便局のみまもりサービス」
「HOME ALSOK みまもりサポート」
「セコム・ホームセキュリティ スマートNEO親の見守りプラン」
「HelloLight」
HelloLightは、IoT技術を活用したSIMモジュール内臓のLEDの電球です。
電球の On/Off でスマポのメールに案内があるので、状況が確認できます。
設置は既存の電球と交換するだけです。SIMでネットに接続するのでFiWiルター等のネットワーク機器を必要としません。
非常にお手軽に使えておすすめです。

「介護用見守りカメラ設置」
「介護用見守りカメラ設置」は一般にネットワークカメラといわれるものの一種です。最近は安価な製品も多数でています。
ただ、カメラで監視するのはプライバシーの関係がありますから、了解を取ってから設置しましょう。
「配食サービス」「おむつの助成」「ゴミ出しサービス」「家のバリアフリー化補助」
「配食サービス」「おむつの助成」「ゴミ出しサービス」「家のバリアフリー化補助」はまずは自治体で補助制度があるかもしれません。まずは自治体のホームページの確認をして下さい。
「交通費割引制度」
航空会社には介護のための「交通費割引制度」があります。いろいろ条件がありますが、平均3割程度割り引かれます。
「ANA 介護割引」
「JAL 介護帰省割引」
JRには介護用の割引制度はありませんが、会員登録や予約サービスに登録すれば割引が受けられます。
「ジパング倶楽部」
「JR東 おトクきっぷ」
「JR西 トクトクきっぷ」
「エクスプレス予約」
遠隔介護のポイント
- ・介護にゴールは見えません。エンドレスです。
- ・完璧介護を目指さないでください。
- ・ひとりで抱え込まない。人に、社会に相談する。
- ・遠距離介護をうまくやる秘訣は人に頼めることは頼むことです。
- ・自分の生活を介護のために100%費やさないようにしましょう。
- ・やれる範囲でやっていくしかない。できることをできる範囲でやって下さい。
まとめ
・社会の状況
遠距離介護者は年々増加、2019年で13.6%
・介護に当たっての事前確認
自分や家族がやること
兄弟姉妹にお願いすること
上記以外にお願いすること
この3点に分けて事前に確認しておく。
・いろいろな介護サービス
介護保険制度や見守りサービスがありますので調査する。
・遠隔介護のポイント
介護にはゴールが見えません。目標設定などできないのです。
親の介護も大事ですが、自分の生活も大事です。
やれる範囲でやっていくしかない。できることをできる範囲でやるしかないのです。
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