【所得税確定申告特集】「介護サービス料」どこまでが医療費控除の対象になるのか

医療費控除お金・財産

母親を介護して3年目になります。毎年確定申告で医療費控除をしています。
国税庁や税理士さんの Web ページを閲覧していますが、介護サービスの経費がどこまで医療費控除の対象なのか?スッキリとわかっていなかったので、まとめてみました。

所得税法、同施行令・施行規則・で記載のあること、通知で記載のることなどバラバラになっているために分かりにくくなっている状況です。

お金のことですから慎重にしていきます。万一修正申告などがおこらないように、根拠がどこに記載されているかをはっきりしながら説明します。

根本的な考え方は介護費用のうち診療・治療に関する費用が医療費控除の対象になるということです。
介護サービスには生活支援がありますが、これは医療費控除の対象になりません。

根拠に基づき医療費控除を理解したい人に役立ちます。

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所得税法などで示されていること

所得税法

所得税法第73条に医療費控除の記載があります。

所得税法(医療費控除)第73条
居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
2 前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。
3 第一項の規定による控除は、医療費控除という。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/16/01.htm#a-02

所得税法施行令(政令)

所得税法施行令第207条に所得税法第73条第2項の政令で定めるものについての記載があります。

所得税法施行令第207条

法第七十三条第二項(医療費の範囲)に規定する政令で定める対価は、次に掲げるものの対価のうち、その病状その他財務省令で定める状況に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とする。

一 医師又は歯科医師による診療又は治療

二 治療又は療養に必要な医薬品の購入

三 病院、診療所(これに準ずるものとして財務省令で定めるものを含む。)又は助産所へ収容されるための人的役務の提供
四 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第三条の二(名簿)に規定する施術者(同法第十二条の二第一項(医業類似行為を業とすることができる者)の規定に該当する者を含む。)又は柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第二条第一項(定義)に規定する柔道整復師による施術

五 保健師、看護師又は准看護師による療養上の世話
六 助産師による分べんの介助
七 介護福祉士による社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)第二条第二項(定義)に規定する喀痰かくたん吸引等又は同法附則第三条第一項(認定特定行為業務従事者に係る特例)に規定する認定特定行為業務従事者による同項に規定する特定行為

https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=340CO0000000096_20201001_430CO0000000131

所得税法施行規則(財務省令)

所得税法施行規則第 43の3第1項に所得税法施行令第207条3号の財務省令で定めるものの説明があります。

所得税法施行規則第 43の3第1項
令第二百七条(医療費の範囲)に規定する財務省令で定める状況は、次に掲げる状況とする。
指定介護老人福祉施設(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第四十八条第一項第一号(施設介護サービス費の支給)に規定する指定介護老人福祉施設をいう。次項において同じ。)及び指定地域密着型介護老人福祉施設(同法第四十二条の二第一項(地域密着型介護サービス費の支給)に規定する指定地域密着型サービスに該当する同法第八条第二十二項(定義)に規定する地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の事業を行う同項に規定する地域密着型介護老人福祉施設をいう。次項において同じ。)における令第二百七条各号に掲げるものの提供の状況

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340M50000040011_20201001_430M60000040012

所得税法施行規則第 40条の3第2項で
令第二百七条第三号に規定する財務省令で定めるものは、指定介護老人福祉施設及び指定地域密着型介護老人福祉施設とする。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340M50000040011_20201001_430M60000040012

施行規則で定めるものは指定介護老人福祉施設及び指定地域密着型介護老人福祉施設になります。

所得税基本通達

所得税基本通達73-6に施行令第207条第5号の保健師、看護師又は准看護師による療養上の世話の説明があります。

所得税基本通達73-6
(保健師等以外の者から受ける療養上の世話)
令第207条第5号に掲げる「保健師、看護師又は准看護師による療養上の世話」とは、保健師助産師看護師法第2条《保健師》、第5条《看護師》又は第6条《准看護師》に規定する保健師、看護師又は准看護師がこれらの規定に規定する業務として行う療養上の世話をいうのであるが、これらの者以外の者で療養上の世話を受けるために特に依頼したものから受ける療養上の世話も、これに含まれるものとする。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/16/01.htm#a-02

施行令で「保健師、看護師又は准看護師による療養上の世話」と言っておきながら、基本通達でそれ以外の者の世話も含んでいると記載されています。

「こんな解釈が本当に可能なのでしょうか〜?」
本来であれば施行令(政令)の改正が必要ではないでしょうか?

それは置いておいて、介護士などからの世話もOKということでしょう。

所得税法などのまとめ

所得税法、同施行令、同施行規則、同基本通達に記載されたことをまとめます。

医療費控除の対象になる医療費(介護サービス)
  1. 医師の診療、治療費
  2. 医薬品の購入費
  3. 上記に関連する人的役務の提供の対価
  4. 病院、診療所、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設での人的役務の提供の対価
  5. 保健師などによる療養上の世話の対価

所得税法など以外で決められていること

介護施設サービス

病院、診療所、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設の他に、介護老人保健施設指定介護療養型医療施設(療養型病床群等)介護医療院が、病院、診療所として位置づけられています。ただ、施行規則には明示されず下記の通知で確認できます。

No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価
2 介護保険サービスの対価に係る医療費控除について

介護施設サービスをまとめると以下のとおりになります。

施設名医療費控除の対象医療費控除の対象外
指定介護老人福祉施設
【特別養護老人ホーム】
指定地域密着型介護老人福祉施設
施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額の2分の1に相当する金額1日常生活費
2特別なサービス費用
介護老人保健施設施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額1日常生活費
2特別なサービス費用
指定介護療養型医療施設
【療養型病床群等】
施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額1日常生活費
2特別なサービス費用
介護医療院施設サービスの対価(介護費、食費及び居住費)として支払った額1日常生活費
2特別なサービス費用

指定介護老人福祉施設・指定地域密着型介護老人福祉施設は、医療・福祉のための施設のため経費を区分けすることが困難なため、医療費控除の対象経費は2分の1に相当する金額になります。

介護施設サービス以外のサービス

自宅での介護など介護施設サービス以外の介護については以下に示されています。

No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価

区分    サービスの種類  備   考
訪問看護看護師等による療養の世話、診療の補助
訪問リハビリテーション理学療法士等による心身機能の維持回復のためのリハビリ
訪問介護ホームヘルプサービス
訪問入浴介護
介護予防居宅療養管理指導
介護予防短期入所療養介護
介護予防通所リハビリテーション
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防訪問看護
介護予防小規模多機能型居宅介護
介護予防短期入所生活介護
介護予防通所介護(※平成30年3月末まで)
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防訪問入浴介護
介護予防地域密着型特定施設入居者生活介護
介護予防認知症対応型共同生活介護
通所リハビリテーション医療機関でのデイサービス
通所介護デイサービス
短期入所療養介護ショートステイ
短期入所生活介護ショートステイ
居宅療養管理指導医師等による管理・指導
小規模多機能型居宅介護
地域支援事業の通所型サービス
地域支援事業の訪問型サービス
地域密着型通所介護
地域支援事業の生活支援サービス
地域密着型特定施設入居者生活介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
特定施設入居者生活介護有料老人ホーム等
認知症対応型通所介護
認知症対応型共同生活介護認知症高齢者グループホーム
介護予防福祉用具貸与
福祉用具貸与

区分 ○:医療費控除対象、✕:医療費控除対象外、△:○とセットの場合に医療費控除対象

まとめ

診療・治療に関する費用が医療費控除の対象になります。
生活関連の費用は単独では対象外ですが、診療・治療とセットであれば対象になります。

医療費控除の対象になる医療費(介護サービス)
  1. 医師の診療、治療費
  2. 医薬品の購入費
  3. 上記に関連する人的役務の提供の対価
  4. 病院・診療所・指定介護老人福祉施設・指定地域密着型介護老人福祉施設・介護老人保健施設・指定介護療養型医療施設(療養型病床群等)・介護医療院での人的役務の提供の対価
  5. 保健師などによる療養上の世話の対価

医療費控除はいろいろな文書に別れて示されており、まとまりが悪くグレーな面があります。
具体的な取り扱いについては、最寄りの税務署に相談下さい。

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