令和2年は在宅ワークが定着した年です。ペーパーレス化が進み以前ほどプリンターの使用頻度は減ったかもしれません。
しかし、まだまだプリンターなしで仕事をすることはむずかしい状況です。
そんななか、インクの減りが速く、カートリッジの交換でランニングコストがイニシャルコスト(本体価格)以上になってきました。
そこでランニングコストを抑えることができる、大容量インクタンク搭載プリンターを選んでみました。
なお、この記事は2020年11月8日現在の資料を参考に投稿しています。
プリンターの用途と機能
選出にあたっては在宅ワークやフリーランスをしている人を想定しています。
用途は下記のとおりです。
年間500枚から1,000枚程度印刷するものとします。
プリンターの用途
- 仕事での文書印刷
- 家族などの写真印刷
- 年賀状印刷
- 趣味のサークルの案内文書印刷など
用途達成のためのプリンターに必要な機能は下記のとおりです。
プリンターの機能
- インクジェットプリンター
- 複合機(原則)
- 最大印刷サイズ A4
- カラー印刷
- 大容量インクタンク搭載
- 自動両面印刷
- Windows、Mac 両方に対応
業務用であればレーザープリンターもありですが、ランニングコストつまり、トナーカートリッジがバカ高いので対象外です。
A3用紙はあまり使用することはないので、A4用紙対象機種にします。
Mac 使用者も多いので Windows、Mac 両方に対応機種とします。
対象機種6選
大容量インクタンク搭載のインクジェットプリンターは大手の「エプソン(セイコーエプソン株式会社)」「キャノン(キヤノン株式会社)」「ブラザー(ブラザー工業株式会社)」から選出しました。
エプソン EW-M770T・EW-M752T/TB・EP-M552T
エプソンの3機種はボトルからインクが注入できる「エコタンク方式」を採用しています。
従来の増量タイプカートリッジ3本分が1本のボトルに入っています。
値段も容量当り 1/5 程度に安くなっています。
A4カラー印刷のコストは「EW-M770T」が約1.3円/枚、「EW-M752T/TB」が約2.7円/枚、「EP-M552T」が約2.7円/枚です。
A4カラー印刷のスピードは「EW-M770T」が約10枚/分、「EW-M752T/TB」が約9枚/分、「EP-M552T」約6枚/分です。
印刷コストと印刷スピード以外は3機種ともほとんど機能は同じです。
キャノン G6030・G5030
キャノンは「ギガタンク」と呼ばれているインクボトルを採用しています。
インクボトルブラック1本当たり最大6,000枚、カラー1本当たり最大7,700枚を印刷することができます。
「G6030」「G5030」とも、A4カラー印刷のコストは約0.9円/枚、A4カラー印刷のスピードは約6.8枚/分です。
「G6030」「G5030」の違いは「G6030」はコピー機能、スキャン機能がある複合機です。
「G5030」はプリントだけの単機能機です。
ブラザー DCP-J988N
「ファーストタンク」と呼ばれていますが、大容量インクカートリッジです。
公表では「ブラックインク1本で標準モデル対応のインクカートリッジ約16本分、カラーインクで約10本分のインク量を搭載。A4モノクロ文書なら約6,000枚プリントできます。」と発表されています。
A4カラー印刷のコストは約3.7円/枚、A4カラー印刷のスピードは約10枚/分です。
他機種にはない「DCP-J988N」の特徴はADF(auto document feeder)が付属していることです。
コピーやスキャンのときに原稿が自動で読み込みができる装置です。
大量コピーやスキャンのときに便利になります。
製品比較表
商品名 | EW-M770T | EW-M752T/TB | EP-M552T | G6030 | G5030 | DCP-J988N |
メーカー | エプソン | エプソン | エプソン | キャノン | キャノン | ブラザー |
コピー | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 |
スキャン | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 |
FAX | 無 | 無 | 無 | 無 | 無 | 無 |
ADF機能 | 無 | 無 | 無 | 無 | 無 | 有 |
印刷方式 | インクジェット | インクジェット | インクジェット | インクジェット | インクジェット | インクジェット |
インク | インクタンク (エコタンク) 顔料1色 染料4色 | インクタンク (エコタンク) 顔料1色 染料4色 | インクタンク (エコタンク) 染料4色 | インクタンク (ギガタンク) 4色独立 | インクタンク (ギガタンク) 4色独立 | インクカートリッジ 大容量タイプ 4色独立 |
最高解像度(dpi) | 5,760×1,440 | 5,760×1,440 | 5,760×1,440 | 4800×1200 | 4800×1200 | 6000×1200 |
用紙サイズ | 最大A4 | 最大A4 | 最大A4 | 最大A4 | 最大A4 | 最大A4 |
給紙方式 | 前面2段カセット 背面給紙(手差し1枚) | 前面1段カセット 背面給紙(手差し1枚) | 背面給紙 | 後トレイ カセット | 後トレイ カセット | トレイ 手差しトレイ |
自動両面プリント | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
自動電源ON/OFF | 有 | 有 | 有 | 自動電源ONのみ | 自動電源ONのみ | 自動電源OFFのみ |
外形寸法 | 425×359×161mm | 390×339×166mm | 390×324×166mm | 403×369×195mm | 403×369×166mm | 435×341×195mm |
質量 | 約8.0㎏ | 約6.3kg | 約4.5kg | 約8.1kg | 約6.5kg | 約8.7kg |
対応OS | Windows XP〜10 Mac OS X 10.6.8〜 | Windows XP〜10 Mac OS X 10.6.8〜 | Windows XP〜10 Mac OS X 10.6.8〜 | Windows 7〜10 Mac OS X 10.12〜 Chrome OS | Windows 7〜10 Mac OS X 10.12〜 Chrome OS | Windows7sp1〜10 MacOS 10.11.6~ |
Air Print | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
印刷スピード | A4カラー約10ipm モノクロ約13ipm | A4カラー約9ipm モノクロ約12ipm | A4カラー約6ipm モノクロ約6ipm | A4カラー6.8ipm モノクロ13ipm | A4カラー6.8ipm モノクロ13ipm | カラー10ipm モノクロ12ipm |
印刷コスト (税別) | A4カラー約1.3円 A4モノクロ約0.5円 | A4カラー約2.7円 A4モノクロ約1.2円 増量使用時 | A4カラー約2.7円 A4モノクロ約1.2円 増量使用時 | A4カラー約0.9円 モノクロ約0.4円 | A4カラー約0.9円 モノクロ約0.4円 | A4カラー約3.7円 モノクロ約0.7円 |
インク価格(税込み) メーカー直販 | 顔料2,640円/本 染料1,320円/本 | オープンプライス | オープンプライス | 4色セット6,930円 | 4色セット6,930円 | 黒3,300円/本 黒以外2,750円/本 |
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結論
1年に500枚以上使う人は対容量インク対応プリンターを検討して下さい。
この6機種のなかではキャノン「G6030」の印刷コストが抜きん出ています。
コピーやスキャンが必要ない場合は、キャノン「G5030」がおすすめです。
年賀状がメインな人は従来のインクカートリッジプリンターのほうがトータルコストは安くなります。