最初に問題を考えて下さい。
- 所得税の障害者控除は、障害者手帳の交付を受けていないと対象にならない。
- 介護認定を受けていると所得税の障害者控除の対象になる。
1、2両方とも誤りです。
障害者控除と障害者手帳や介護認定は、直接関係ありません。
ただし介護認定を受けるような障害がある人は、障害者手帳がなくても障害者控除の対象になる可能性は非常に高いです。
具体的には最寄りの市町村か市町村福祉事務所に「障害者控除対象者認定申請書」を提出して、「障害者控除対象者認定」の交付を受けると、障害者控除の対象になる可能性があります。
「障害者控除対象者認定」があるからといって必ず障害者控除の対象になるとは限りません。
このことに要注意です。(以下で説明しますが合計所得金額が48万円以下である必要があります。)
障害者控除などの詳細は以下のとおりです。
なお、障害者は納税者の親で介護認定者とします。また無職とします。
対象者を限定していますので注意して下さい。
内容は平成2年申告用です。
障害者控除とは
対象者
- 扶養親族
- 満65歳以上の者
- 市町村長や福祉事務所長の認定を受けている者
以上の3つの要件すべて満たしている介護認定者であれば障害者控除の対象になります。
扶養親族
単に親を扶養しているだけでは、所得税でいう扶養親族には該当しない場合がありますので、気をつけて下さい。
以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 納税者と生計を一にしていること
- 年間の合計所得金額が48万円以下であること
2番めの要件には注意して下さい。働いていなくても、公的年金と民間個人年金の受給があるとオーバーすることがあります。
また2番めの要件は平成元年分以前の申告では38万円以下になっています。
国税庁のWebページで確認して下さい。
具体的な手続き
まずは介護認定を受けていることを確認して下さい。
次に最寄りの市区町村役場に「障害者控除対象者認定申請書」を提出して下さい。
様式は最寄りの市区町村役場のWebページなどで確認下さい。
該当になれば「障害者控除対象者認定」が郵送などで交付されます。
「障害者控除対象者認定」は提出する必要はありません。7年間保存しておいて下さい。
万一の税務調査のときに必要になります。
なお、国税庁のチャットポットでは「障害者控除の対象となる旨の証明書を添付または提示する必要はありません。」と回答がありました。
まとめ
障害者手帳を持っていないからといって、障害者控除が受けれないわけではありません。
要介護認定を受けているからといって、障害者控除の対象になるとは限りません。
介護認定は、介護保険法によって決められた制度です。一方障害者控除は所得税法で決められた制度です。別々のものだと理解して下さい。
障害者手帳を持たない方でも、介護認定を受けている65歳以上の方で、一定の要件に該当する方には、申請により「障害者控除対象者認定書」を交付されます。
「障害者控除対象者認定書」があれば障害者控除の対象になる可能性があります。
「障害者控除対象者認定書」があり合計所得金額が48万円以下であれば対象になります。