個人年金の雑所得に関する計算問題が過去13回の試験で2回出題されています。
出題回数は少ないですが、ほぼ同じ問題です。
簡単ですので押さえておきましょう。
雑所得の計算
公的年金等の雑所得 = 公的年金収入 ー 公的年金等控除額
その他の雑所得=総収入ー必要経費
個人年金なので下段の式により雑所得を計算します。
個人年金に特化して書くと下段の式は以下のとおりです。
個人年金の雑所得金額=年金額(年額)ー保険料(年額)
実際の所得税の確定申告時には、必要経費(保険料年額)は保険会社から「必要経費見込み額」として計算されたものが案内されますので、自分で計算することはほとんどないと思います。
結論を言えば、保険料(総額)がわかれば、それを年額に換算すれば出てきます。
なお、雑所得金額が25万円以上になると 雑所得金額×10.21%が保険会社で源泉徴収されます。
10.21%は所得税が10%、復興特別所得税が所得税×2.1%です。
具体的な事例問題で理解を深めていきます。
演習
問題
Tさんは個人年金保険に加入して、下記により60歳になったので年金を受け取った。
この年金の雑所得金額を求めなさい。なお、この年金で雑所得以外の所得は生じないものとする。
年金の種類 | 10年補償期間付 終身年金(定額型) |
契約者 | Tさん(加入時34歳) 男性 |
保険料負担者 | Tさん |
被保険者 | Tさん |
年金受取人 | Tさん |
年金開始年齢 | 60歳 |
年金年額 | 70万円 |
既払込正味保 険料総額 | 900万円 |
60歳男性余命 年数 | 19年 |
解答
226,000万円
解説
個人年金の雑所得金額=年金額(年額)ー保険料(年額)
上の式に基づいて計算をすれば答えがでます。
年金額(年額) は問題文では年金年額で70万円です。
保険料(年額) は年換算の保険料のことです。
問題文に直接書いてありません。
総額から換算します。式にすると下記のとおりです。
$\mathsf{\Large{\frac{保険料(総額)}{年金額(総額)}\ =\frac{保険料(年額)}{年金額(年額)}}}$
総額の割合から年額を換算した式です。式を変形すると
$\mathsf{ 保険料(年額)\ =\Large{\frac{保険料(総額)×年金額(年額)}{年金額(総額)}}}$
・保険料(総額)=既払込正味保険料総額=900万円
・年金額(年額) =年金年額=70万円
・年金額(総額)
=年金額(年額) ×(補償期間と余命年数と比較して大きい年数)
=70万円×余命年数19年
=1,330万円
・保険料(年額)
=保険料(総額)900万円×年金額(年額)70万円/年金額(総額) 1,330万円
=47.4万円
・雑所得の金額
= 年金額(年額)70万円ー保険料(年額) 47.4万円
=22.6万円
まとめ
個人年金の雑所得金額=年金額(年額)ー保険料(年額)
$\mathsf{ 保険料(年額)\ =\Large{\frac{保険料(総額)×年金額(年額)}{年金額(総額)}}}$