【FP検定1級】投資信託について、ディスクロージャーに関する問題が頻出です。

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FP

投資信託は、過去13回の基礎編の試験で基礎編では10回出題されています。
出題が多いのはディスクロージャー(情報開示)投資信託の分類収益分配金運用スタイルに関する問題です。

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基準価額

基準価額とは投資信託の1口当たりの値段のことです。
投資信託に組み入れられた全資産からコストを差し引いた「純資産総額」を、受益権総口数で割った額で、1日に1つの価額として公表されます。(2019.1)

投資信託のコスト

【購入手数料】

投資信託を購入するときにかかるコスト
販売会社(証券会社、銀行)によって異なる。

購入手数料がかからないノーロード型の商品もある。

【信託報酬】

投資信託を運用・管理するためにかかるコストで投資家が負担します。
運用期間中において信託財産から差し引かれます。
委託(運用)会社受託会社(信託銀行)、販売会社(証券会社、銀行))の3者に配分される。
支払い方法、利率などは目論見書などに記載されている。

同一の投資信託の銘柄であれば、販売会社による差異はなく、一般に、インデックス型投資信託よりもアクティブ型投資信託のほうが高い傾向がある。(2019.1)

運用期間中は信託報酬以外に信託財産から売買委託手数料監査費用が差し引かれる。

【信託財産保留額】

投資信託の換金時に、手数料とは別に徴収される費用
手数料のように運用会社や販売会社の収益とならず、換金時に換金代金から差し引かれ、投資信託に残す財産のことをいいます。
すべて投資信託委託会社の収入となります。(2019.1)

信託財産留保額がかかるかどうかは投資信託ごとに異なりますので、目論見書などで購入前に確認できます。

投資信託のディスクロージャー(情報開示)

【目論見書(投資信託説明書)】

投資判断に必要な投資信託の特色、リスク、運用実績、申込み方法、手数料、投資信託を持つにあたっての注意点など、詳細な情報が書かれています。

目論見書には交付目論見書請求目論見書があります。
交付目論見書は投資家に販売と同時に交付する必要があります。投資信託の購入時手数料や運用管理費用(信託報酬)の、金額・料率・対応するサービス内容の記載が義務づけられています。(2020.9)(2018.9)

請求目論見書は投資家から請求があった場合に交付します。ファンドの沿革や経理状況といった追加的な情報が記載されています。

【運用報告書)】(2018.9)

投資信託の運用結果を決算期ごとに委託(運用)会社作成して、投資家に知らせる書類です。
運用報告書には交付運用報告書運用報告書(全体版)があります。

交付運用報告書は投資家に必ず交付する必要がある書類で、運用成績・運用経過・今後の運用方針、代表的な資産クラスとの騰落率の比較などが記載されます。(2020.9)

運用報告書(全体版)は、作成のつど受益者へ交付することとなっていますので、投資家から請求があれば交付しなければなりません。しかしながら投資信託約款において、電磁的方法により提供する旨を定めている場合には、運用会社のホームページに掲載するなど投資家に利用しやすい方法で提供すれば交付したものとみなされています。(2020.9)(2018.9)

決算期間は投資信託によって年1回、年2回、毎月など異なります。決算期間が6ヶ月未満の投資信託は、6ヶ月ごとに運用報告書が発行されます。(2018.9)

安全性の高い公社債などで運用されているMRF(Money Reserve Fund)は、運用報告書の作成・交付の義務 が除外されています。

内外の公社債や短期金融商品を中心に運用されているMMF(Money Management Fund)は1年ごとの運用報告書の作成・ 交付でもよいと定められています。

【トータルリターン通知制度)】

トータルリターンとは投資から得られる総合収益のことです。
投資信託の運用成績を表す際に用いられます。(2018.9)

評価金額+累計受託分配金+累計売付金額ー累計買付金額で表します。(2019.1)

販売会社は投資家に対して、追加購入・途中解約や分配金等を反映したトータルの損益を年1回以上通知することが必要です。(2020.9)

収益分配金

普通分配金は、運用によって得られた利益分です。所得税、住民税の場合、配当所得として20.315%が課税されます。

一方特別分配金(元本払戻金)は、利益ではなく元本の取り崩しのため非課税です。(2019.9)

収益分配金の練習問題

計算問題が出題されますので解き方を覚えて下さい。

問題

Aさんは、2019年4月に特定口座で公募追加型株式投資信託(当初1口1円、年1回分配)10,000口を基準価額12,000円で購入した。
下記の〈公募追加型株式投資信託の分配金実績・分配落後基準価額の推移〉に基づき、2021年3月期における10,000口当たりの収益分配金について、所得税および復興特別所得税、住民税の源泉(特別)徴収後の手取金額を求めよ。
なお、源泉(特別)徴収される税額は円未満切捨てとする。

〈公募追加型株式投資信託の分配金実績・分配落後基準価額の推移〉

 決算期2019年3月期
(1年目)
2020年3月
(2年目)
2021年3月期
(3年目)
分配金実績1,200円1,100円1,000円
分配後基準価額11,100円11,600円11,000円

回答

818円

解説

解法の手順
  1. 分配前の元本と利益を求める。
  2. 分配金を元本と利益に配分する。
    最初に利益に分配する。利益で分配できない分は、元本を取り崩す。
  3. 分配後の元本と利益を求める。

【分配前の元本と利益を求める】
分配前の元本+利益=分配金実績+分配後基準価額です。
1年目は12,300円
2年目は12,700円
3年目は12,000円
1年目の分配前の元本は購入価格のことですから12,000円です。
分配前には元本の額は変わらない。
元本=12,000円
分配前の元本+利益=12,300円
利益=300円

【利益を元本と利益に配分する。】
利益を全額、分配する。
利益=300円
分配金=1,200円
最初に利益に300円分配する。
不足する900円は元本12,000円から取り崩します。

【分配後の額】
元本=12,000円ー900円=11,100円
利益=0円

これを3期分繰り返します。表にまとめると分かりやすくなります。

 元本利益合計
購入12,000円0円12,000円 

1期目

分配前12,000円 300円12,300円
分配金-900円-300円-1,200円
分配後11,100円0円11,100円

2期目

分配前11,100円1,600円12,700円
分配金0円-1,100円-1,100円
分配後11,100円500円11,600円

3期目

分配前11,100円900円12,000円
分配金-100円-900円-1,000円
分配後11,000円0円11,000円
税金0円182円182円
手取り額100円718円818円

分配金は会社(分配金を支払う側)から見ていますので、支払い項目のためマイナスで計上しています。

3期目の分配金が1,000円です。
内訳は元本取崩し分の特別分配金(元本払戻金)が100円
利益分の普通分配金が900円です。

特別分配金(元本払戻金)の財源は元本です。自分のお金なので非課税です。
普通分配金は利益なので所得税が課税されます。

配当所得15.315%、住民税5%で
900円✕20.315%=182円(円未満切捨て)

1,000円ー182円=818円

投資信託の分類

投資信託協会から出されている「商品分類に関する指針」に分類や種類が書かれています。
まとめると下表のようになります。

単位・追加型区分
単位型
追加型
地域による区分
国内
海外
内外
対象資産による区分
株式
一般
大型株
中小型株
債券
一般
公債
社債
その他債券
格付等クレジット
による属性
独立した区分
不動産(リート)
その他資産
資産複合
資産配分固定型
資産配分変更型
補足区分
MMF
MRF
ETF
インデックス型
特殊型
決算頻度による区分
年1回
年2回
年4回
年6回(隔月)
年12回(毎月)
日々
その他
対象地域による区分
グローバル
日本
北米
欧州
アジア
オセアニア
中南米
アフリカ
中近東(中東)
エマージング
投資形態による区分ファミリーファンド
 ファンド・オブ・ファンズ
為替ヘッジによる区分
為替ヘッジあり
為替ヘッジなし
対象インデックス
の属性
日経225
TOPIX
その他の指数
特殊型
ブル・ベア型
条件付運用型
型/絶対収益追求型
その他型

 


主なもの(青太字)を引用すると、

単位型投信…当初、募集された資金が一つの単位として信託され、その後の追加設定は一切行われないファンドをいう。

追加型投信…一度設定されたファンドであってもその後追加設定が行われ従来の信託財産とともに運用されるファンドをいう。(2021.5)(2019.9)(2017.9)

投資対象地域による区分
(1)国内…目論見書又は投資信託約款において、組入資産による主たる投資収益が質的に国内の資産を源泉とする旨の記載があるものをいう。(2019.9)
(2)海外…目論見書又は投資信託約款において、組入資産による主たる投資収益が実質的に海外の資産を源泉とする旨の記載があるものをいう。
(3)内外…目論見書又は投資信託約款において、国内及び海外の資産による投資収益を実質的に源泉とする旨の記載があるものをいう。(2021.5)(2017.9)

投資対象資産による区分(2021.5)(2017.9)
(1)株式…目論見書又は投資信託約款において、組入資産による主たる投資収益が実質的に株式を源泉とする旨の記載があるものをいう。
(2)債券…目論見書又は投資信託約款において、組入資産による主たる投資収益が実質的に債券を源泉とする旨の記載があるものをいう。
(3)不動産投信(リート)…目論見書又は投資信託約款において、組入資産による主たる投資収益が実質的に不動産投資信託の受益証券及び不動産投資法人の投資証券を源泉とする旨の記載があるものをいう。
(4)その他資産…目論見書又は投資信託約款において、組入資産による主たる投資収益が実質的に上記(1)から(3)に掲げる資産以外の資産を源泉とする旨の記載があるものをいう。
なお、その他資産と併記して具体的な収益の源泉となる資産の名称記載も可とする。
(5)資産複合…目論見書又は投資信託約款において、上記(1)から(4)に掲げる資産のうち複数の資産による投資収益を実質的に源泉とする旨の記載があるものをいう。(2021.5)

J-REAT
REATはReal Estate Investment Trust の略です。不動産投資信託全般を指します.
仕組みがアメリカのREITと異なる点があるため、日本の REIT を J-REAT と呼ばれています。
J-REATは東京証券取引所に上場している会社型投資信託で、株式のようにいつでも売買可能です。
投資家から資金を集めて不動産に投資するので、少額から取引できます。
分配金は配当所得になりますが、配当控除が受けられないことに注意して下さい。

MMF(マネー・マネージメント・ファンド)…「MMF等の運営に関する規則」に定めるMMFをいう。

MMF
主な投資先が国債など国内外の公社債や譲渡性預金(CD)、コマーシャル・ペーパーなどの短期金融資産とするオープン型の公社債投資信託。元本保証はない。

MRF(マネー・リザーブ・ファンド)…「MMF等の運営に関する規則」に定めるMRFをいう。

MRF(2020.1)
高い安全性のある公社債などで運用されている投資信託で、運用資産に株式は組み込まれていません。各証券会社は証券口座内の資金はMRFで運用されています。
元本保証のない投資信託ですが、元本に損失が生じた場合、証券会社や運用会社が万一破綻した場合であっても、全額保全される仕組みになっています。

ETF…投資信託及び投資法人に関する法律施行令(平成12年政令480号)第12条第1号及び第2号に規定する証券投資信託並びに租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第9条の4 の2に規定する上場証券投資信託をいう。

ETF
Exchange Traded Fund の略で、上場投資信託」といわれています。東証株価指数(TOPIX)、日経平均株価、NYダウ等の国内外の株価指数に連動するように設定されている。ETFは投資信託ですが、金融商品取引所に上場しているでの株式のように取引ができます。

ファミリーファンド・・・目論見書又は投資信託約款において、親投資信託(ファンド・オブ・ファンズにのみ投資されるものを除く。)を投資対象として投資するものをいう。

ファンド・オブ・ファンズ・・・「投資信託等の運用に関する規則」第2条に規定するファンド・オブ・ファンズをいう。

ファンド・オブ・ファンズ(2020.1)
平たく言えば、投資信託に投資する投資信託です。
原則として株式や債券等の個別銘柄には投資できません。
多くの銘柄に投資できなくても、多数の金融商品の投資信託に小口で投資できます。

特殊型…目論見書又は投資信託約款において、投資者に対して注意を喚起することが必要
と思われる特殊な仕組みあるいは運用手法の記載があるものをいう。

特殊型(2021.5)(2017.9)
ブル・ベア型…目論見書又は投資信託約款において、派生商品をヘッジ目的以外に用い、積極的に投資を行うとともに各種指数・資産等への連動若しくは逆連動(一定倍の連動若しくは逆連動を含む。)を目指す旨の記載があるものをいう。
②条件付運用型…目論見書又は投資信託約款において、仕組債への投資又はその他特殊な仕組みを用いることにより、目標とする投資成果(基準価額、償還価額、収益分配金等)や信託終了日等が、明示的な指標等の値により定められる一定の条件によって決定される旨の記載があるものをいう。
ロング・ショート型/絶対収益追求型…目論見書又は投資信託約款において、特定の市場に左右されにくい収益の追求を目指す旨若しくはロング・ショート戦略により収益の追求を目指す旨の記載があるものをいう。
④その他型…目論見書又は投資信託約款において、上記①から③に掲げる属性のいずれにも該当しない特殊な仕組みあるいは運用手法の記載があるものをいう。

ブル型
牛が角を突き上げているイメージ、上昇相場で期待できる投資信託
ベア型(2020.1)
くまが爪を引き下ろしているイメージ、下降で期待できる投資信託

運用スタイル

バリュー投資(2018.9)(2016.9)
PERやPBR等の指標や配当割引モデル等から見た個別銘柄の株価の割安性に着目して、銘柄選択をおこなう運用スタイル

グロース投資(2018.9)(2016.9)
成長性に着目して銘柄選択をおこなう運用スタイル

ロング・ショート運用(戦略)(2018.9)(2016.9)
割安な株価の値上がりの「買い」であるロングの局面だけでなく、割高な株価の値下がりの「売り」であるショートにおいて、空売りした銘柄を買い戻すことを組み合わせることにより、効率的な運用が可能であるという手法

マーケット・ニュートラル運用(2018.9)
買い建てと売り建てを同時に行うことで、市場の変動に影響を受けないように運用成果を目指す運用

スマートベータ運用】(2018.9)(2016.9)
財務指標(売上高・営業キャッシュフロー・配当金等)や株価の変動率、成長性の現在価値といった、その銘柄の特定の要素に基づいて運用する。TOPIX等市場平均に連動した指数よりも高いリターンを目指す運用手法


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