「年金の請求手続きのご案内」が届いたらこんな風に書こう!

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年金請求書の記載に悩んでいる65歳の日本人男性

「年金」―私たちの老後を支える大切な資産。
しかし、手続きの複雑さや不明瞭な部分から、多くの人が頭を悩ませているのではないでしょうか?

特に、”年金請求書”の記入は一見難しそう…。
しかし、その裏にはあなたの老後をより豊かにする鍵が隠されています。加給や振替加算、さらには低所得者向けのサポート制度と、知っておくべき情報は山ほどあります。

この記事では、そんな年金の手続きをスムーズに進めるためのポイントを分かりやすく解説。あなたも安心して、充実した未来への第一歩を踏み出しませんか?

目次

「年金の請求手続きのご案内」が届いたらやること

65歳になると国民年金の総元締めである「日本年金機構」から「年金の請求手続きのご案内」といった書類が届きます。

国民年金を受取る権利を取得したので請求手続きをして下さいという書類です。
この受取る権利は75歳までの間でいつでも使うことができます。

と言われてもいつ権利を使えばいいのか迷うところです。
何歳から年金をもらえばいいのか?正解はありません。

最適な受給時期は人それぞれなので、次の3つのことをおこなって、いつから年金を受給するか確認して下さい。

  • 65歳時点の年金額を確認する
  • 「繰り下げ受給」を選択した場合の、年金額の確認する
  • 「年金請求書」を記入してみる

65歳時点の年金額を確認する

「ねんきん定期便」誕生月に郵送されてきます。「3.老齢年金の種類と見込額(年額)」らんを見れば、おおよその年金額が分かります。

また、「ねんきんネット」にアクセスすれば、パソコンやスマートフォーンから確認することができます。

「繰り下げ受給」を選択した場合の、年金額の確認する

「繰下げ受給」とは年金の受給開始日を遅らせることで、年金額が増加する制度です。
65歳から1ヶ月受給を繰り下げする(遅らせる)と月当たり0.7%、年当たり8.4%、最大10年間繰り下げをすると84%年金受給額が増加します。

当然、遅らせた期間は年金は受給されません。当面の生活費を賄える人で健康状態の良い人は、検討の余地は大いにあります。

詳細は下記の記事を参考にして下さい。

「年金請求書」を記入してみる

65歳で年金を受給すると決めた人は、早々に「年金請求書」の記入をして下さい。

65歳で年金を受給しない人も、いつか「年金請求書」を記入する日が必ず来ます。
練習だと思って記載してみて下さい。

記載に当たってのポイントは次の2つです。

  • 加給年金、振替加算、年金生活者支援給付金の対象にならないか
  • 自分で一度記載してみた不明点は最寄りの年金事務所に確認する

「年金請求書」で月々の年金額が決定します。少しでも増額する方法がないか検討して下さい。
不明点は気軽に年金事務所に確認しましょう。年金事務所は年金受給者の対応が仕事の1つなのですから、遠慮する必要はありません。

次に多くの方が疑問に思う点をピックアップしましたので参考にして下さい。

1ページ(1.本人確認、2.受取口座)

なお、以下の記入例は日本年金機構が公表している記入例です。

年金請求書1P
  • 「摩擦に伴う温度変化等により消色するインクを用いたペン」とはフリクションペンのことです。
  • 住民基本台帳による住所の更新停止・解除申出書」様式です。
  • 「金融機関コード」が通帳などに記載がない場合は次より検索して下さい。
    金融機関コード・銀行コード
  • 受取口座の預貯金通帳またはキャッシュカードのコピーを添付して下さい。
    通帳をコピーする場合、表紙とフリガナの記載のあるページをコピーして下さい。
    マイナポータルで公金受取口座を指定した場合または、金融機関の証明がある場合はコピー添付不要です。
  • 「公金受取口座」とはマイナポータルから任意登録している口座です。詳細は次のデジタル庁のページを参考にして下さい。

3ページ(3.加入状況)

年金請求書3P
  • 3.(2)の「年金制度」に記載されているものは(1)で◯で囲んで下さい。
  • 3.(2)は案内のあった2ヶ月前の加入状況が記載されています。
  • 3.(2)で記載がない年金がある場合は追加記入をして、(1)のも◯で囲んで下さい。
  • 複数の年金手帳番号を持っている場合は、年金記録が複数に分散している可能性があります。
    この請求書を提出する前に最寄りの年金事務所に相談して、年金記録を統合する手続きをおこなって下さい。

4ページ(3.加入状況その2)

年金請求書4P
  • 3.(3)は年金システムに何かの関係で登録されなかった加入記録を記載します。
    この請求書提出後、証拠書類の提出を求められます。
  • 3.(5)は受給資格期間が300月以上あるか確認するためのらんです。
    受給資格期間が300月以上であれば遺族年金の受給要件の1つを満たすことができます。
    受給資格期間には保険料を免除された期間なども含まれ、それらの期間を3.(5)に記載します。
    この請求書提出後、証拠書類の提出を求められます。
  • 受給資格期間は「ねんきん定期便」または「ねんきんネット」で確認できます。

6ページ(4.年金受給状況、雇用保険加入状況)

年金請求書6P
  • 1人1年金が原則ですが、例外的に複数の年金を受給することができます。
    その確認を4.(1)でおこないます。なお、複数受給できるのは次のとおりです。
複数受給(併給)確認表
厚生年金
老齢障害遺族
基礎年金老齢
障害
遺族

: 複数受給可能
◯ : 65歳以上であれば複数受給可能
: 複数受給可能不可

  • 65歳になるまでの老齢年金と雇用保険の失業給付は同時には受けられません。
  • 65歳未満で厚生年金を受けている方が雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けられると、在職による年金の支給停止に加えて年金の一部が支給停止になります。

以上に該当する場合は、事前に最寄りの年金事務所に相談して下さい。

8ページ(5.配偶者・子)

年金請求書8P
  • 配偶者や子の状況は加給年金、振替加算の対象かどうかを確認するために必要になります。
  • 加給年金とは厚生年金の受給において、一定の要件を満たす配偶者・子がいるときに本人の年金に加算される年金です。
  • 配偶者が65歳になると本人の加給年金は停止になります。それに代わって配偶者の年金に振替加算が加算されます。

年金生活者支援給付金について

書類の中に別冊で「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内」と「年金生活者支援給付金請求書」が入っています。
対象者は必ず請求して下さい。

年金生活者支援給付金とは、年金生活者で低所得の人に本来の年金に上乗せして支給される制度です。
年金生活者支援給付金には老齢・障害・遺族の3種類があります。

老齢年金生活者支援給付金について説明します。
支給要件は次の3つです。

  • 65歳以上で老齢基礎年金を受給者
  • 世帯全員が市町村住民税の非課税者
  • 前年の年金収入とその他の所得の合計額が878,900円以下

「市町村住民税の非課税者」は住所のある役所で課税証明書や住民税非課税証明書を取得して確認して下さい。

詳細については次の日本年金機構のページをご覧ください。

まとめ

年金受給を計画する方は、「年金請求書」の記入が欠かせません。
この書類の記入ポイントは、加算や給付金の適用確認と、疑問点を年金事務所に問い合わせること。

特に65歳未満で年金と雇用保険の受給を考えている方は注意が必要です。
また、配偶者や子の情報は、加給や振替加算の確認に重要です。さらに、「年金生活者支援給付金」という制度があり、低所得者には追加の支援が期待できます。

具体的な条件や詳細は、日本年金機構の公式ページで確認可能です。年金の手続きは複雑に思えるかもしれませんが、適切に対応することで、安心した老後を迎えるためのサポートが受けられます。

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