60歳になります。家計簿はつけていますが、家の財産管理については夫にすべて任せています。
夫は10歳年上です。普通にいけは夫の死後、相当の年月を一人で暮らしていかなければなりません。
今から先々どうなるのか非常に心配です。私が一人になっても生活に困らないためには、どんな準備をしておけばよいか教えて下さい。
心配はもっともです。
厚生労働省の「令和元年簡易生命表」によると、平均寿命は男性81歳、女性87歳 その差は6歳です。
平均的にいって夫婦の年齢差は2歳程度です。
夫が81歳で亡くなったときの妻の年齢が2歳若く79歳、妻は87歳で亡くなるとして8年間夫がいない生活を送ることになる。
あなたの場合、平均寿命を基にすると、16年間夫がいない生活を送ることになります。
他人事ではありません。
まずは夫婦間で財産などの情報を共有することと家事を共有することから始めましょう。
事前に準備しておくこと
- 情報を共有する
- 家事を共有する
- 情報をダウンサイジングする
- 地震などの自然災害が発生したときの対応
- 夫の介護が必要になったときの対応
- 夫が亡くなるときの対応
夫が元気なうちに上記の項目について、事前に準備しておきます。
特に、旦那の担当だと勝手に思い込んで、まったく自分でやってこなかった項目については十分に話し合いをして下さいよ。
特に重要なのは情報と家事の共有です。旦那まかせにしておくと、一人になったときにひどい目にあいますよ。
夫婦間で情報を共有する
60歳になったら夫婦間の役割分担はやめましょう。
例えば日々の家計の管理は奥さんが、資産管理は旦那さんがしている。お互いに相手がどのようにしているかはほとんど関与していない。
相手を信頼していると言えばカッコはいいですが、60歳になって老後のことを考えるようになったならば、相互に情報を共有しましょう。
役割分担から相互共有へ
情報を共有する事項(例)
- 銀行預金
- 有価証券
- 保険証書
- 国民年金受給情報
- 不動産情報
- クレジットカード情報
- パソコンファイル
- パソコン・スマホなどのパスワード
- ネットサービスのアカウントなど
この機会にパソコンに共有フォルダーを作って、資産情報を共有ホルダーに保存しましょう。
夫婦どちらでも、いつでもアクセスできるようにしておくのはどうでしょうか。
また個別に保存している家族写真・名簿なども、夫婦で話し合って共有ホルダーに保存しましょう。
共有フォルダとは、別のパソコンからもアクセスできるようにしているフォルダのこと。共有フォルダー内のファイルは、別のパソコンから閲覧・編集ができます。
データ容量が少なければ、1台のパソコンを共有するのも方法です。
資産情報の共有が最も重要になります。
老後の資産運用はどのようになっているか確認します。
特に旦那さんの死後、奥さんが一人になって生活資金がしっかり考慮されているか確認して下さい。
旦那さんが亡くなれば年金の受給額が減額になります。
旦那さんが亡くなってから「こんなはずではなかった」とならないように夫婦で話し合って下さい。
公的年金の受給時期の検討や資産運用を始めることも考えて下さい。
各自で「エンディングノート」を書いてみるのもいいですよ。
以下の記事を参考にして下さい。
夫婦間で家事を共有する
「家事は全部私がやっているので、新たにやることはありません。」と思ってませんか?
あなたがやっていない家事がありますよ。
例えば、庭木の管理は旦那さんがやっていませんか?雪かきはどうですか?
屋外の不定期な家事は旦那さんがやっていることが多いですよ。税金の確定申告はどうですか?一人でやるとなると、知らないと相当困りますよ。
家事を共有する事項(例)
- 食事
- 洗濯
- 掃除
- 庭の手入れ
- 家の簡易な修理
- 雪かき
- 税の確定申告
旦那さんも日常の家事である食事・洗濯・掃除は一人になったことを想定して、奥さんと協力してやって下さい。
共有すべき情報のダウンサイジング
70歳頃になると、仕事から完全に引退している人が増えてきます。それに伴って必要な情報も減ってくるはずです。
夫婦間で共有している情報を少なくしていきます。
使わなくなった預金口座を解約する。生命保険も基本的には加入する必要はありません。満期になった保険から整理をしていきましょう。
地震などの自然災害が発生したときの対応
自然災害のためになにを準備しなければいけないのか?
自然災害が発生したらどんな行動をとらなければならないのか?
避難所はどこにあるのか?
避難時にはなにを準備しておかなければならないのか?
安否確認の方法は?
これは夫婦で住んでいても一人で住んでいても一緒です。事前にできる範囲で対策をしておきましょう。
夫の介護が必要になったときの対応
夫婦で近くの介護施設を見学するのがいいです。
親の介護をする必要がでてくるかもしれません。そのような機会をとらえて介護制度の勉強をしておきましょう。
また手すりの設置や段差解消のために、家を介護用にリフォームが必要になってくるかもしれません。
できれば老老介護は避けたいです。子ども夫婦とも話し合いを持ちましょう。
老老介護とは要介護者を65歳以上の高齢者が介護すること
夫婦間の介護が典型的です。
夫が亡くなるときの対応
「終末医療」と「相続」がポイントです。
事前に夫に終末医療はどうしてほしいのか確認しておきましょう。
告知をしてほしいのかどうか。延命治療をおこなうのか。臓器提供はどうか?
亡くなってからは相続をしなければなりません。
「夫婦間で情報を共有する」で述べた資産管理が整理されていれば特段心配する必要はありません。
まとめ
60歳になったら夫婦間で情報と家事を共有しましょう。
役割分担はやめて、相互共有でいきましょう。