60歳になり会社を定年退職をしました。母親を自宅で介護しています。そのため再就職はしていません。
老後が心配なので、自分の年金納付情報を確認しました。いろいろ制度を調べたりもしました。国の公的年金制度は複雑すぎます。当面なにに気をつければよいかわかりやすく教えて下さい。
国の公的年金は改正にうえに改正を積み重ねているので、非常に制度が複雑です。
制度を1から細かく勉強するのではなく、まずは制度の概要を理解します。次に必要な箇所を少し詳しく調べていくやり方がいいです。
私は家計に関わるお金のサポーターであるファイナンシャルプランナー(FP2級)です。
公的年金について60歳の方が今やっておかなければならないことや制度のわかりにくいことみなさんが疑問に思うことを中心に説明していきます。
年金の加入状況などを確認する
「ねんきん定期便」で確認
年1回誕生月に「ねんきん定期便」が日本年金機構等から郵送されてきます。
直近の保険料納付状況・年金加入期間・年金見込額などが記入されています。記入漏れや誤りがないか確認して下さい。
この際、わからない用語があれば調べるようにしましょう。
59歳の誕生月には特别に詳細な情報が封書で送られてきますし、年金を受給してからも送られてきます。
下記は年金機構から送られててくる様式サンプルのページです。
日本年金機構「ねんきんネット」で確認
「ねんきんネット」にアクセスして下さい。
「新規登録」をクリックすると「ねんきんネットの利用を始める(ご利用登録)」の画面になります。
基礎年金番号が必要になってきます。 以下の書類で確認下さい。
- 年金手帳(青色)
- 基礎年金番号通知書
- 国民年金保険料の納付書・領収書
- 年金証書
- 各種通知書(改定通知書など)
- 年金定期便
確認できない場合は会社の担当部署・市区町村役場国民年金部署・年金事務所にご相談下さい。
「ねんきん定期便」とおなじ情報が確認できます。
その他、年金額の試算・「年金請求書」他各種提出書類の作成など「ねんきんネット」自宅のパソコンやスマポで利用できますので是非とも確認できるようにして下さい。
なにを確認するのか?
国民年金の受給資格期間を満たしているのか
「年金定期便」などで年金加入期間を確認します。
国民年金の老齢年金を受給するには10年(120ヶ月)以上の年金加入期間が必要です。
年金額を増やせないのか
国民年金は20歳以上60歳未満まで加入することになっています。
最大40年(480ヶ月)加入できます。
確認した年金加入期間と480ヶ月と比較して多いでしょうか?少ないでしょうか?
いつから年金を受給するのか
公的年金の受給は原則65歳からです。しかしながら
- 「特別支給の老齢厚生年金 」
- 「繰り上げ」請求と「繰り下げ」請求
これらの制度を活用することで、早くて60歳から遅いと70歳が受給開始年齢となります。
そのために60歳のこのタイミングで受給開始年齢を決定しておくべきです。
併せて「任意加入」と「加給年金」の制度に注意しておくことが重要です。
「任意加入」
国民年金は60歳未満までの加入ですが、例外的に「任意加入」として65歳まで加入できます。加入すべき場合として次の2つがあります。
・受給資格期間10年(120ヶ月)を満たしていない場合
60歳時点で年金加入期間が10年(120ヶ月)未満の人は年金をまったく受給できません。任意加入するのが必須です。
・年金額の増額をしたい場合
よくある事例として22歳で就職して60歳で定年退職した場合です。20歳から22歳の2年間(24ヶ月)分が未加入となているケースがよくあります。
任意加入で年金額が増額できます。
「付加年金」
自営業者などで国民年金の保険料に月額400円を「付加年金」保険料として追加して納付すると、200円×「付加年金」保険料納付月数の額が「付加年金」として受給できる。
60歳で定年退職していないので厚生年金保険には加入していないため、60歳からの「任意加入」期間中は「付加年金」保険料が納付可能である。
2年以上の納付で元がとれるのでぜひとも加入をおすすめいたします。
「特別支給の老齢厚生年金 」
厚生年金保険の受給年齢が60歳から65歳に変更になりました。受給年齢を段階的に引き上げるためにできた制度です。
対象は男性が36年4月1日以前生まれ、女性が昭和41年4月1日以前生まれの人です。
現在60歳である昭和34年4月2日から35年4月1日生を例にすれば 受給開始年齢は下の表のとおりになります。
国民年金 | 厚生年金 | |
男性 | 65歳 | 64歳 |
女性 | 65歳 | 61歳 |
男性は64歳の1年間「特別支給の老齢厚生年金 」が支給されます。
女性は61歳から64歳の4年間支給されます。
「繰り上げ」受給と「繰り下げ」受給
年金が原則、65歳から受給できますが、本人の希望により60歳以上から70歳未満の間で年金を受給することができます。
60歳以上から65歳未満までに受給することを「繰り上げ」受給といいます。
65歳以上から70歳未満までに受給することを「繰り下げ」受給といいます。
「繰り上げ」受給は0.5% ✕ 繰り上げ月数が一生涯減額されます。
60歳の誕生月で受給すると0.5% ✕ 60ヶ月 = 30% が減額されます。
「繰り下げ」受給は0.5% ✕ 繰り上げ月数が一生涯増額されます。
70歳の誕生月で受給すると0.7% ✕ 60ヶ月 = 42% が増額されます。
60歳で決めておくこと
年金の加入状況を確認して、少しでも将来に年金額が増えることを検討しましょう。
- 「特別支給の老齢厚生年金 」は忘れずに申請すること
- 「任意加入」と「付加年金」を活用して少しでも受給額を増やすこと
- 「繰り上げ受給」は減額になるので避けること
- 1年でも多くと「繰り下げ受給」できないか検討すること
- そのためには年金受給までの収入を年金以外で確保すること
死ぬ前に後悔するのが「繰り上げ」
死んでから後悔するのが「繰り下げ」
死んでから後悔したいです。意識がなくなってから
まとめ
年金に美味しい話はありません。ただ制度を知っているかどうかだけです。制度が細かくて複雑なためみんな嫌になります。
・「ねんきん定期便」や「ねんきんねっと」で自分の年金情報を確認しよう。
・「特別支給の老齢厚生年金 」は忘れずに申請すること
・「任意加入」と「付加年金」を活用して受給額を増やすこと
・年金受給まで収入を確保して「繰り下げ受給」に努めよう
追記
2020年5月29日、公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げられる年金改革法が成立しました。今まで以上に年金受給までの収入確保が大事になってきます。