過去13回の試験(基礎編)で6回出題、市街化区域内農地の3条・4条・5条が許可か申出かについての出題が多いです。
地域の意味することを理解して記憶しましょう。
農地法
農地法第3条は所有権などの権利移転や賃借権などの設定する場合の許可になります。
農地を農地のままで売ったり、貸したりするときに必要な許可です。
農地法第4条は権利移転・設定はおこなわず、農地等の用途を別の用途に変える(転用)場合の許可になります。
例えば農家住宅を拡張するために、農地を宅地にしたなどが該当します。
農地法第5条は権利移転・設定が伴う転用の場合の許可になります。
例えば農地を売却して工場を建設するなどが該当します。
表にまとめると以下のとおりになります。
3条 | 4条 | 5条 | |
---|---|---|---|
権利移転・設定 | ○ | ー | ○ |
転用 | ー | ○ | ○ |
市街化区域 | 農委許可 | 農委届出 | 農委届出 |
市街化区域以外 | 農委許可 | 知事許可 | 知事許可 |
市街化区域での4条・5条の許可は不要で代わりに届出が必要です
。(2021.1)(2019.9)(2019.1)(2018.1)(2017.9)
これは例外事項なので必ず押さえておいて下さい。
ちなみに3条は 市街化区域でも農業委員会の許可が必要です。
(2019.1)(2017.9)
相続、時効取得、遺産分割相続、時効取得、遺産分割による農地等の所有権移転は3条許可は不要で変わりに取得を知った時から10ヶ月以内に、届け出が必要です。
(2021.1)(2019.9) (2017.9)
農地などの賃貸借は、登記がなくても、第三者に対抗可能です。
(2019.9)
本来、土地、建物の賃貸借は登記をもって第三者に対抗できますが、農地の賃貸借に限り登記が不要であることが明記されています。
(農地又は採草放牧地の賃貸借の対抗力)
農地法第十六条 農地又は採草放牧地の賃貸借は、その登記がなくても、農地又は採草放牧地の引渡があつたときは、これをもつてその後その農地又は採草放牧地について物権を取得した第三者に対抗することができる。
農地の賃貸借の存続期間は、最長50年です。契約で50年超の期間を定めていても、50年とみなされます。(2019.9)
農地かどうかは登記ではなく現況によります。これを現況主義といいます。
(2018.1)(2017.9)
農地転用で不正があった場合は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は1億円以下の罰金)が課されます。
(2016.9)
法人が農地の 権利移転・設定をするには一定の条件があります。
その 一定の条件を備えた法人を農地所有適格法人といいます。
農地所有適格法人の設立するための許可は不要であり、所定の要件を満たせば、農地の権利を取得できます。
(2018.1)
- 法人形態
株式会社(公開会社でないもの)、農事組合法人、持分会社 - 事業内容
主たる事業が農業(農産物の加工・販売等の関連事業を含む)
農業生産物、加工品の売上が半数以上 - 議決権
農業関係者が総議決権の過半を占めること - 役員
役員又は重要な使用人の1人以上が農作業(原則年間60日以上)に従事すること
生産緑地法
【趣旨】
市街化区域内の農地で、良好な生活環境の確保に効用があり、公共施設等の敷地として適している500㎡以上(条例で300㎡まで引下げ可) の農地を都市計画に定め、建築行為等を許可制により規制し、都市農地の計画的な保全を図る制度です。
【指定要件】
市街化区域内の 500㎡以上(条例で300㎡まで引下げ可)の一団の農地である。
農業を継続する。
公共施設などの敷地に適している。
所有者の同意がある。
【行為の制限】
農地として適正な管理、保全が義務
宅地の造成など行う場合は市区町村長の許可が必要
(2019.1)
【税制措置】
固定資産税・都市計画税が一般農地並み課税(生産緑地に指定されていない市街化区域内農地は宅地並み課税)
相続税・贈与税の納税猶予制度を適用( 生産緑地に指定されていない市街化区域内農地は 適用なし)
【買取申出】
都市計画決定の告示日から30年を経過したとき(申出基準日)または従事者が死亡・重度障害により農業の継続が困難になったときは、市町村長に対し、時価による買取を申し出ることができる。(農業を継続することが解除される。)
(2019.1)
【特定生産緑地】
申出基準日が近く到来する生産緑地について、買取申出が可能となる期日を10年延期した生産緑地