ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定1級【応用編】ポートフォリオ運用

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Portfolio management

しひろです。
今回はFP1級技能検定の「金融資産運用」から「ポートフォリオ運用」についてです。
過去12回の検定試験で5回出題されました。

期待収益率」「標準偏差」「共分散」「相関係数」の用語の意味と計算の仕方を理解する必要があります。

目次

ポートフォリオ運用

ポートフォリオは英語で Portfolio で「書類入れ」という意味です。
金融用語では、保有を(予定)している金融資産全体や金融資産の組み合わせのことをいいます。

期待収益率

全体の期待収益率 = Σ( 個別予想収益率 ✕ 生起確率(組入比率))

【練習問題 1】資産別
下表のように組み入れられたポートフォリオの期待収益率は?

資産名組入比率予想収益率
資産130%2%
資産240%12%
資産330%7%
合計100%

【解答 1】
2% ✕ 0.3 + 12% ✕ 0.4 + 7% ✕ 0.3 =7.5%
または
2% ✕ 30% + 12% ✕ 40% + 7% ✕ 30% =750%%=7.5%

【解説1】
%と%をかけると%%となりわかりにくいです。1つを小数にして、ケアレスミスをなくしましょう
またはそのまま計算した結果を100で割って、%%を%に変更します。

理解を深めるために追加します。
下表の平均を求めます。

クラス人数点数
A30人2点
B40人12点
C30人7点
合計100人

【答え】
(30人 ✕ 2点 + 40人 ✕ 12点 + 30人 ✕ 7点 ) / 100人= 7.5点

同じ結果になります。
なにを意味しているかと言うと、ポートフォリオの期待収益率は単に加重平均を算出しているだけです。

【練習問題 2】シナリオ別
下表のように予想されるポートフォリオの期待収益率は?

シナリオ生起確率予想収益率
好況30%15%
普通50%8%
不況20%▲6%
合計100%

【解答 2】
15% ✕ 0.3 + 8% ✕ 0.5 + ー6% ✕ 0.2 =7.3%

【解説2】
シナリオ別でも考え方はまったく同じです。

【練習問題 3】資産・シナリオ別
下表の予想に基づき、資産1と資産2を4:6の割合で保有した場合のポートフォリオの期待収益率は?

シナリオ生起確率資産1
予想収益率
資産2
予想収益率
好況30%10%▲6%
普通40%6%7%
不況30%▲8%8%
合計100%

【解答 3】
好況
10% ✕ 0.4 + -6% ✕ 0.6 = 0.4%
普通
6% ✕ 0.4 + 7% ✕ 0.6 = 6.6%
不況
-8% ✕ 0.4 + 8% ✕ 0.6 = 1.6%

0.4% × 0.3 + 6.6% × 0.4 +1.6% × 0.3 = 3.24%

【別解3】
資産1
10% ✕ 0.3 + 6% ✕ 0.4 + -8% ✕ 0.3 = 3%
資産2
-6% ✕ 0.3 + 7% ✕ 0.4 + 8% ✕ 0.3 = 3.4%

3% × 0.4 + 3.4% × 0.6 = 3.24%

【解説3】
2段階で計算していきます。
区分が資産とシナリオの2つがある場合です。
どちらから計算しても、同じ答えになります。

標準偏差

統計において標準偏差とは各要素のバラツキ度合いを数値化する手法です。
金融においてはリスクは標準偏差のことで、金融資産収益のバラツキを意味します。

平均値からどれだけバラついているかを測ります。
バラツキ度合いが大きいと、リスクが大きいことを意味します。

ポートフォリオの分散
= Σ((個別予想収益率 ー ポートフォリオ期待収益率)2
×生起確率(組入比率))

ポートフォリオ標準偏差 = √ポートフォリオの分散

2乗していることから標準偏差は損失だけを示す指標ではありません。

【練習問題 4】資産別
下表のように組み入れられたポートフォリオの標準偏差は?
下表は【練習問題 2】と同じです。

シナリオ生起確率予想収益率
好況30%15%
普通50%8%
不況20%▲6%
合計100%

【解答 4】
【練習問題2】よりポートフォリオの期待収益率は7.3%
(15% ー 7.3%)2 × 0.3 = 17.787
(8% ー 7.3%)2 × 0.5 = 0.245
(ー6% ー 7.3%)2 × 0.2 = 35.378
合計 53.41(分散)

√53.41 ≒ 7.31%(標準偏差 )

【解説4】
分散は単位は書きません。(書くとしたら %% ですが…)

公式を覚えようとしてもなかなか覚えられません。
以下の順番で問題を解いて、体で覚えましょう。
①差を取る → ②2条する → ③確率を掛ける → ④合計する → ⑤ルートする

2条してルートするのは、+ーを除くためです。

期待収益率7.3%で標準偏差が7.31%とは、簡単にいうと平均リターンが7.3%あり、7.31%の幅があることを意味します。

【練習問題 5】
下表の予想に基づき、資産1と資産2を4:6の割合で保有した場合のポートフォリオの標準偏差は?
下表は【練習問題 3】と同じです。

シナリオ生起確率資産1
予想収益率
資産2
予想収益率
好況30%10%▲6%
普通40%6%7%
不況30%▲8%8%
合計100%

【解答 5】
【練習問題3】より
好況の期待収益率は0.4%
普通の期待収益率は6.6%
不況の期待収益率は1.6%
ポートフォリオの期待収益率は3.24%

(0.4% ー 3.24%)2 × 0.3 = 2.41968
+ (6.6% ー 3.24%)2 × 0.4 = 4.51584
+ (1.6% ー 3.24%)2 × 0.3 = 0.80688
= 7.7424(分散)

√7.7424 ≒ 2.78%(標準偏差 )

【解説5】
・シナリオ別での標準偏差と資産別での標準偏差では答えが異なります。
影響の大きいシナリオ別で算出します。
・分散は単位をつけません。つけるとしたら計算式から%%です。
・標準偏差の単位は%です。%%をルートするので%です。

共分散

共分散とは、2種類の資産の平均値との差(偏差)を出して、掛け平均したものです。正と負のどちらの相関があるかがわかります。

共分散 = Σ)( 資産1の偏差 × 資産2の偏差 ✕ 生起確率(構成比率))

偏差 = 資産の予想収益率 ー 資産の期待収益率(平均)

これも公式を覚えるより問題を解いたほうが理解が早いです。

【練習問題 6】
下表の予想に基づき、資産1と資産2を4:6の割合で保有した場合の共分散は?
下表は【練習問題 3】【練習問題 5】と同じです。

シナリオ生起確率資産1
予想収益率
資産2
予想収益率
好況30%10%▲6%
普通40%6%7%
不況30%▲8%8%
合計100%

【解答 6】
資産1の期待収益率
10% × 0.3 + 6% × 0.4 +-8% × 0.3 = 3.0%
資産2の期待収益率
-6% × 0.3 + 7% × 0.4 +8% × 0.3 = 3.4%

資産1、資産2の共分散
  ( 10%ー3.0% ) × (-6%ー3.4%) × 0.3
+ ( 6%ー3.0% ) × (7%ー3.4%) × 0.4
+ ( -8%ー3.0% ) × (8%ー3.4%) × 0.3
=-30.6

【解説6】
段々ややこしくなってきましたので表にしておきます。

シナリオ生起確率資産1
予想収益率
資産2
予想収益率
資産1
の偏差
資産2
の偏差
偏差の積✕
生起確率
好況30.00%10%-6%7.0%-9.4%-19.74%
普通40.00%6%7%3.0%3.6%4.32%
不況30.00%-8%8%-11.0%4.6%-15.18%
資産割合40%60%
合計-30.60%

共分散から標準偏差を算出

資産1、資産2の分散
= 資産1の分散 × 資産1割合2
+ 資産2の分散 × 資産2割合2
+ 2 × 資産1、資産2の共分散 × 資産1割合 × 資産2割合

資産1、資産2の標準偏差
= √資産1、資産2の分散資産1、資産2の分散

【練習問題7】
下表の資産1と資産2を4:6の割合で保有した場合のポートフォリオの標準偏差は?

分散共分散
資産154.6-30.6
資産238.04

【解答7】
資産1、資産2の分散
54.60 × 0.42 = 8.736
38.04 × 0.62 = 13.6944
2 × -30.6 × 0.4 × 0.6 = -14.688
合計 7.7424

資産1、資産2の標準偏差
= √7.7424 ≒ 2.78%

【解説7】
実は問題文の表は【練習問題5】を基に作りました。
標準偏差 2.78% は【練習問題5】の解答とピッタリ一致します。

相関係数

資産1、資産2の相関係数
= 資産1、資産2の共分散 / (資産1の標準偏差 × 資産2の標準偏差)

【練習問題8】
下表の資産1と資産2の相関係数は?

分散共分散
資産154.6-30.6
資産238.04

【解答8】
資産1、資産2の相関係数
= -30.6 / ( √54.60 × √ 38.04 )
≒ -30.6 / 45.57
≒ -0.67

まとめ

全体の期待収益率 = Σ( 個別予想収益率 ✕ 生起確率(組入比率))

ポートフォリオの分散
= Σ((個別予想収益率 ー ポートフォリオ期待収益率)2
×生起確率(組入比率))

ポートフォリオ標準偏差 = √ポートフォリオの分散

共分散 = Σ)( 資産1の偏差 × 資産2の偏差 ✕ 生起確率(構成比率))

偏差 = 資産の予想収益率 ー 資産の期待収益率(平均)

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