サブスクなどネット通販の苦情が増えてきている状況です。
それを受けて「特定商取引法」が改正されました。
しかし、まだまだ気をつけたいことがいくつもあります。
真っ先に気をつけたいのは、
- 無料トライアルといいながらクレジットカード番号を入力させるサービス
- 解約の手続きが不明か記載されていてわかりにくいサービス
以上2つは要注意です。
その他詳細については以下で説明します。
相談件数の現状
全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談の全体件数は、直近10年は90万件前後で推移しています。
インターネットを利用した通信販売の相談件数は20万件以上で、高止まりしている傾向である。
定期購入は2021年に健康食品の定期購入トラブルが減少したことによって件数は減少しましたが、2017年から見ると約2.7倍に増加しています。
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|---|
全 体 | 91.7万件 | 102.6万件 | 94.0万件 | 94.1万件 | 85.2万件 |
インター ネット通販 | 238,528件 | 208,954件 | 216,315件 | 276,926件 | 233,317件 |
定期購入 | 17,027件 | 21,981件 | 44,763件 | 59,565件 | 46,734件 |
特定商取引法の改正によって(2022年6月1日施行)契約し込みの際に必要な、表示事項が「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン 」として定められました。
法律に違反しないと考えられる表示、違反するおそれのある表示が具体的にいくつもの事例で示されています。
インターネット通販の場合でいえば、契約申し込みの最終確認画面に以下の5事項を必ず表示することとされています。
【表示すべき5事項】
- 分量
- 販売価格(送料を含む)
- 代金支払いの時期及び方法
- 商品引渡時期または権利移転時期
- 解約
説明を端的におこなうことが困難で、どうしても説明事項が多くなる場合があります。
このように最終確認画面に表示することが購入者にとってわかりにくくなる場合に限って、例外的にリンクなどの方法で別画面に表示することを可としています。
また以下のような誤認させる事例については禁止とされました。
- 注文を確定するボタンの名称が「送信する」「参加する」などである。
次の手続きがあるように誤認される。 - 初回の無料だけが大きく強調され、2回目以降の有料が小さく記入されている。
見落とされる可能性が大きい。 - お試し価格だけが大きく表示され、通常価格が小さくてわかりにくい。
勘違い、見落としの可能性がある。 - 注文内容を再確認するために、前のページに戻るボタンや最終確認画面がない
- 「いつでも解約可能」と表示しながら、解約方法がわかりにくい。
併せて「違反した者は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と罰則も規定されています。
消費者サイドが注意しておくこと
特定商取引法の改正に伴って、「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン 」が定められ、ネット通販事業への規制が強化されることによって悪質サービスは一定数減少すると予想されます。
しかしこれだけで我が身に被害が降りかからない保証はありません。
消費者として購入者として、注意しておきたい事項を列挙してみます。
サブスクの契約をするに当たって、「契約前」「トライアル契約後」「有料契約後」と場面ごとの注意事項になります。
【契約前】
【契約前】
- サービス提供会社の社名、電話番号、メールアドレス、料金体系を確認
サービス名だけで社名がわからないページは気をつけましょう。 - 無料トライアルを申し込みのタイミングでクレジットカード番号の入力を求めるサブスクは要注意
有料への自動切り替えの可能性が大きいです。 - サービスに加入する前に解約手続きを確認すること
解約手続きが示さていないページは要注意 - パスワード管理アプリの使用すること
パスワードの失念防止になります。 - アプリ削除は解約ではないことを肝に命じること
解約してサービスからアカウントを削除しないと、料金が発生したままになります。 - 外国の事業者は特に解約手続きを確認
外国の事業者とは言語の壁があり解約を困難にする場合があります。
【トライアル契約後】
- トライアル解除解約日をカレンダーやToDo、リマインダアプリに登録しておくこと
失念の防止になります。 - 有料に切り替わる場合、事前に案内があるか確認すること
【有料契約後】
- サブスク管理アプリを使用する。
解約忘れの防止になります。 - クレジットカード使用明細を定期的な確認
ネットでも確認できます。 - 被相続人のサブスクにも注意
サブスクに加入したまま死亡すると放置されることがあります。
あとがき
消費者庁など国の行政機関のネット通販のトラブル解消に本腰を入れたようです。
それですべてが解決するとは到底思えません。
悪質な事業者のサービスに引っかからないように消費者としても気をつけたいものです。
クドイようですが以下の2点について、十分注意して下さい。
- 無料トライアルといいながらクレジットカード番号を入力させるサービス
- 解約の手続きが不明か記載されていてわかりにくいサービス