【FP検定1級】消費税の簡易課税制度を押さえておこう。

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消費税に関する出題は過去13回の試験で基礎編で6回出題されています。
非課税取引」「免税事業者」「簡易課税制度」の出題が多いです。

特に「簡易課税制度」は十分に理解するようにしておきましょう。

目次

課税取引

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に課税される。

非課税取引

【「消費」という概念になじまないもの】

  1. 土地の譲渡および貸付(2021.1)
    地代
  2. 有価証券等の譲渡
    配当金
  3. 支払い手段の譲渡
    銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形など
  4. 預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等
    債券の利子、公社債投資信託の信託報酬
  5. 郵便切手類の譲渡、証紙の譲渡
  6. 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
  7. 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
    登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付など
  8. 外国為替業務に係る役務の提供

【公共福祉の観点から社会政策的配慮がなされたもの】

  1. 社会保険医療の給付等
  2. 介護保険サービスの提供
  3. 社会福祉事業等によるサービスの提供
  4. 助産
  5. 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
  6. 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付
  7. 学校教育
    授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料など
  8. 教科用図書の譲渡
  9. 住宅の貸付
    居住の用に供することが明らかにされているもの、アパートの家賃(2021.1)

非課税にならないもの

  • 貸付期間が1ヶ月未満の土地、住宅の貸付け(2021.1)
  • 駐車場
  • ゴルフ会員権
  • 趣味として収集する切手、コインなど
  • 暗号資産
  • 美容整形
  • 差額ベッド
  • 市販医薬品
  • 株式投資信託の信託報酬
  • インターネットサービスを受ける者の住所等が国内にある場合(2021.1)
    (サービス提供者は国内外を問わない)

消費税率

通常の税率

消費税率   7.8%
地方消費税率 2.2%

軽減税率

消費税の逆進性を弱めるために、日常生活に必要不可欠な品目の税率を8%(消費税6.24%、地方消費税1.76%)に軽減する。

【軽減税率が適用される商品】

  1. 飲食料品
  2. 定期購読契約に基づく週2回以上発行されている新聞

【軽減税率が適用外の商品(紛らわしもの)】(2020.1)

  1. 酒類、外食
  2. ペットフード
  3. 駅売店やコンビニの新聞
  4. 医薬品、医薬部外品

免税事業者

【要件】

  • 基準期間課税売上高1,000万円以下かつ特定期間の課税売上高及び給与等支払額が1,000万円以下の事業者(2021.1)(2018.9)
  • 資本金1,000万円未満の新規開業の事業者
    資本金1,000万円以上の新規開業の事業者の当初2期分は簡易課税制度を適用することができる。

【基準期間】

個人の場合は前々年、法人の場合は前々年度

【特定期間】

個人の場合は前年の1月から6月まで、法人の場合は前年度の前半の6ヶ月

【課税売上高】

消費税の課税対象となる取引の売上高

課税制度

原則課税

納付税額 = 課税売上高に係る消費税額 ー 課税仕入高に係る消費税額

簡易課税制度

【要件】

  • 基準期間課税売上高5,000万円以下の事業者が選択できる。
  • 課税期間開始の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出(2018.9)
  • 消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出しないかぎり効力は失われない。
  • 廃業、自然災害などの不可抗力によるもの以外は2年間簡易課税制度を継続しなければいけない。
    (2年の間に基準期間課税売上高5,000万円を超えると簡易課税制度の適用は受けられない。)

納付税額
=課税売上高に係る消費税額ー(課税売上高に係る消費税額×みなし仕入率)

みなし仕入率:40~90%
事業区分:6種

注意点

簡易課税事業者になると消費税の還付は原則、受けられない。(2018.9)

2種類以上の事業を営む簡易課税事業者で1つの事業の課税売上高の割合が75%以上の場合、その事業の仕入率を全体のみなし仕入率に適用できる。適用するかどうかは事業者の選択によります。(2021.5)(2021.1)(2019.1)

3種類以上の事業を営む簡易課税事業者で、全体の課税売上高のうち2事業の課税売上高の合計が75%以上となる場合には、みなし仕入率が最も高い事業の課税売上高にその高いみなし仕入率を適用する。
それ以外の事業の課税売上高には、その2種類の事業のうち低い方のみなし仕入率を適用できる。(2021.5)

上の文章はややこしいので解説しておきます。
第1種と第2種の課税売上高の合計が75%以上なので、みなし仕入率が最も高い第1種事業は90%を適用します。
それ以外の第2種、第5種事業には第1種、第2種の低いほうの80%を適用します。

事業
区分
みなし
仕入率
課税売上
高の割合
適用みな
し仕入率
第1種90%50%90%
第2種80%30%80%
第5種50%20%80%
合 計100%

課税期間課税売上高が5億円を超えるまたは課税売上割合が95%未満の場合、課税仕入高に係る消費税額の全額を差し引くことは認められない。

$\mathsf{\small{課税売上割合=}\large{\frac{課税売上高(税抜き)}{総売上高(税抜き)}}}$


個人は翌年の3月31日まで、法人は事業年度終了後2ヶ月以内に申告(2018.9)

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