暗号資産の相続、相続税が課せられるかもしれません、所得税まで

当ページのリンクには広告が含まれている場合があります。

ビットコインを始めとする仮想通貨の人気が高まっています。
エルサルバドルがビットコインを法定通貨としたり、一部の企業が暗号資産を利用したりいったニュースが要因の一つかもしれません。

仮想通貨を保有する人が増えれば、そのままで亡くなるケースも増えてくるでしょう。その場合、相続はどうなるのか。相続税の課税はあるのでしょうか、所得税は?

そんな仮想通貨の相続について解説します。

目次

暗号資産とは

「資金決済に関する法律に」以下のように定義されています。

資金決済に関する法律
第2条 5 この法律において「暗号資産」とは、次に掲げるものをいう。ただし、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項に規定する電子記録移転権利を表示するものを除く。
 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=421AC0000000059

簡単にいうと「円やドルと交換することができ、○○Payなどのキャッシュレス決済以外のネットで記録されている資産」ということです。

暗号資産はビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコインなど2,000種類以上あると言われています。

暗号資産があるか確認

暗号資産の保有者が死亡した場合、相続人である家族などに連絡していないことがよくあります。
そのような状況になった場合、以下のとおり手続きをする必要があります。

  • 被相続人のパソコン、スマポ、タブレットから暗号資産交換業者を確かめる。
    参考:暗号資産交換業者登録一覧
  • 利用していた暗号資産交換業者のIDとパスワードを見つける。
  • メールや問い合わせフォームなどから相続が発生したことを連絡
  • 必要書類を提出
  • 残高証明書を発行
  • 払い戻し

注意点

IDやパスワードがわからないことを理由に相続税が課税されないことはありませんので注意して下さい。

ログインパスワードは再発行は可能ですが、ウォレットのパスワードは再発行は不可能です。
わからないと利用できなくなりますので注意して下さい。

暗号資産の相続税

暗号資産は「不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値」と資金決済に関する法律で定義されているように、一種の資産ですから相続で取得した場合には相続税が課税される場合があります。

仮想通貨そのものを相続するのではなく、時価で換算し、日本円で相続することになります。
相続税評価額は払い戻し額ではなく、相続日の時価額(残高証明書に記載されている残高)になります。

活発な市場が存在する暗号資産は、相続人等の納税義務者が取引を行っている暗号資産交換
業者が公表する課税時期における取引価格によって評価します。

国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)27」

相続税が課税されるか否か

相続税の計算は非常に複雑です。
相続税が課税されるどうかは相続財産評価額が基礎控除以上かどうかで判断できます。

「遺産に係る基礎控除額」3,000万円600万円法定相続人数

法定相続人が1人場合、相続財産評価額が3,600万円以下であれば、相続税は課税されません。

なお、相続財産評価額は暗号資産だけではなく現金・預金、土地・建物、証券など被相続人が保有していたすべての財産の総額になります。
詳細を知りたい場合は以下を参考にして下さい。

あわせて読みたい
ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定1級【応用編】相続税額の計算 しひろです。今回はFP1級技能検定の「相続・事業継承」から「相続税額の計算」についてです。過去12回の検定試験で5回出題されました。 【相続税額の算出】 STEP「本来...

事例を検討してみました

相続人が相続するのは暗号資産ですが、暗号資産ではなく円で支払われることになっています。

円で支払われるということは、売却することと同じです。
そのとき売却益が発生すれば所得税も課税されるのでしょうか?
具体化するために事例で確認します。

【事例】

:被相続人
:相続人(1人)
相続財産:10ビットコイン
購入額:500万円/10ビットコイン
相続時時価額:4,500万円/10ビットコイン
払戻し額:5,000万円/10ビットコイン
必要経費:0円

その他の相続財産及びみなし財産、相続開始前3年以内の贈与財産、相続時精算課税制度の贈与財産、非課税財産、債務控除額はないものとする。
所得控除はないものとする。

【相続税】
課税遺産総額
=相続時時価額4,500万円ー基礎控除3,600万円
=900万円
税額
=課税遺産総額900万円✕税率10%
=90万円

【所得税】
仮想通貨の所得金額
=払戻し額5,000万円ー必要経費0円ー購入額500万円
=4,500万円✕税率45%
=2,025万円

相続税が課税されているので、所得税は課税されないという見解と相続税は相続財産に、所得税は譲渡益に対して課税されるものである。
課税対象が違うから相続税も所得税も課税されるという見解があります。

現在調査中です。結論が出したい、文面を修正して報告します。

まとめ

ウォレットのパスワードは再発行は不可能です。わからないと利用できなくなりますので注意して下さい。

相続税が課税されているので、所得税は課税されないという見解と相続税は相続財産に、所得税は譲渡益に対して課税されるものである。
課税対象が違うから相続税も所得税も課税されるという見解があります

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次