ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定【応用編】定番問題、「法人税の計算」演習

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法人税(演習)FP

こちらは演習問題です。内容の説明についてはファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定【応用編】定番問題、「法人税の計算」を確認ください。

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問題 ー「略式別表四(所得の金額の計算に関する明細書)」作成と法人税額の算出

A社の当期法人確定申告のために「略式別表四(所得の金額の計算に関する明細書)」を作成しています。下記の情報をもとに総額らんに数値を記入せよ。
併せて、納付すべき法人税額を算出せよ。

A社の基本情報
サービス業、資本金20,000,000円、青色申告法人、非上場会社、会計期間4月〜3月

減価償却費
減価償却費は、全額を損金経理をしている。内訳は、備品の減価償却費は6,200千円、償却限度額は5,500千円、繰越償却超過額1,200千円。建物の減価償却費は7,500千円、償却限度額は 8,000千円、繰越償却超過額が 700千円。

役員給与費
取締役Bに役員給与を4月分から10月まで月額800千円、11月分から3月分まで月額950千円を支払った。増額する臨時改定事由はなく、所轄税務署長に「事前確定 届出給与に関する届出書」は未提出。

役員退職金
当期に退任した取締役Bさんに役員退職金を30,000千円支給し、損金経理を行っている。役員退職金の税法上の適正額は、功績倍率方式により最終報酬月額800 千円、役員在任期間10年、功績倍率2.5倍として算定した額が適正と判断される。

交際費
当期の交際費等は12,500千円、全額損金経理により処理。内訳は、参加者1人当たり5千円以下の飲食費800千円含、得意先との会食による接待飲食費11,000千円、その他は飲食費以外の交際費である。

生命保険保険料
養老保険の保険料2,000千円を損金支出した。明細は契約者A社、被保険者は役職員全員、受取人は被保険者の遺族、満期保険金受取人A社。

受取配当金
A社が保有しているC社(上場会社)株式の配当金1,500千円(源泉所得税控除前)を受領。C社株式は非支配目的株式等に該当。

繰越欠損金
3年前に赤字が発生し、当期に繰越した青色申告の欠損金が1,200千円ある。

税額控除
地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除額が200千円ある。

法人税、住民税、事業税
(1) 預金利子の所得税額20,000円・復興特別所得税額420円
受取配当金の所得税額225,000円・復興特別所得税額4,720円
当期確定申告分の見積納税額3,650,000円
合計額3,900,140円である。
なお、貸借対照表に記載されている「未払法人税等」の金額は3,880,000円である。
(2) 当期中に納付した前期確定申告分の事業税は590,000円である。
(3) 源泉徴収された所得税額および復興特別所得税額は、当期の法人税額から控除する。
(4) 法人税の中間申告および中間納税は3,000,000円である。

「略式別表四(所得の金額の計算に関する明細書)」
区       分総   額
当期利益の額8,935,060円
加算
損金経理をした納税充当金 
減価償却の償却超過額 
役員給与の損金不算入額 
役員退職金の損金不算入額 
交際費等の損金不算入額 
生命保険料の損金不算入額 
小  計 
減算
減価償却超過額の当期許容額 
納税充当額から支出した事業税等の金額 
受取配当等の益金不算入額 
小  計 
仮    計 
法人税額から控除される所得税額及び復興特別所得税額 
合    計 
欠損金又は災害損失金等の当期控除額 
所得金額又は欠損金額 

解答

「損金経理をした納税充当金」

「納税充当金」=「見積納税額」   

当期確定申告分の見積納税額3,650,000円が損金経理した納税充当金です。

「減価償却の償却超過額」②と「減価償却超過額の当期許容額」④20.9

「減価償却の償却超過額」=「減価償却費」ー「償却限度額」 
マイナスの場合は 「減価償却の償却超過額」= 0

「繰越償却超過額」と「償却限度額」ー「減価償却費」を比較して、小さい額を「減価償却超過額の当期許容額」とする。
 「償却限度額」ー「減価償却費」< 0 の場合は「減価償却超過額の当期許容額」= 0

減価償却費は資産の種類・耐用年数・償却方法がすべて同一でなければ個別に計算します。

略式別表四(所得の金額の計算に関する明細書)
備品  建物 合計
減価償却費6,200千円7,500千円
償却限度額5,500千円8,000千円
償却超過額700千円0千円700千円
繰越償却超過額1,200千円700千円
減価償却超過
額の当期許容額
0千円500千円500千円

「減価償却の償却超過額」
備品6,200千円ー5,500千円=700千円
建物7,500千円ー8,000千円<0 ∴0
合計700,000円

「減価償却超過額の当期許容額」
備品5,500千円ー6,200千円<0 ∴0
建物8,000千円ー7,500千円=500千円<700千円 ∴500千円
合計500,000円

指定された単位で解答すること

「役員給与の損金不算入額」

損金算入できるのは「定期同額給与」の場合、一月以下の一定の期間ごとである給与で、支給額が同額であるものです。

そのため、増額になった(950千円ー800千円)✕5ヶ月=750,000円が損金不算入になります。

「役員退職金に関する事項」

「役員退職金の損金不算入額」
=「退職金額」-「最終報酬月額」×「役員在任期間」×「功績倍率」

30,000千円ー800千円×10年×2.5倍=10,000,000円

「交際費等に関する事項」

「交際費等の損金不算入額」
=「交際費等」ー「交際費等の損金算入額」

  • 資本金1億円を超える会社
    損金算入額=接待飲食費✕50%
  • 資本金1億円を以下の会社
    損金算入額=接待飲食費✕50%と交際費等の800万円以下の部分を比較して多い金額

資本金1億円を以下の会社のため、接待飲食費11,000千円✕50%=5,500千円<8,000千円のため、損金算入額は8,000千円

接待飲食費11,000千円+接待飲食費以外700千円ー損金算入額8,000千円
=損金不算入額3,700,000円

表にすると以下のとおりです。

5千以下の飲食費
800千円
損金算入額
8,000千円
損金不算入額
3,700千円
接待飲食費
11,000千円
接待飲食費以外
700千円

「生命保険料の損金不算入額」

満期保険金がない定期保険の保険料は全額損金算入になります。
満期保険金がある養老定期の保険料は1/2が資産に1/2が損金(費用)に算入されるため、経理上全額費用に計上した場合、資産に相当する1/2がが損金不算入になります。

問題文は養老定期の保険料は2,000千円
2,000千円✕1/2=生命保険料の損金不算入額1,000,000円

「納税充当額から支出した事業税等の金額」

前期確定申告分の事業税590,000円です。
法人事業税は法人税法上経費としてみれますので、当年度に「納税充当額から支出した事業税等の金額」として損金算入をします。

「受取配当等の益金不算入額」

株式等の保有割合益金不算入額
完全子法人株式等100%受取配当金全額
関連法人株式等1/3超100%未満受取配当金ー関連法人の負債利子
その他株式等5%超1/3未満受取配当金✕50%
非支配目的株式等5%以下受取配当金✕20%

非支配目的株式等に該当するので、配当金1,500千円✕20%=益金不算入額300,000円

「法人税額から控除される所得税額及び復興特別所得税額」

所得税・復興特別所得税額で事前に源泉徴収で課税されたものを、控除します。

預金利子の所得税額20,000円・復興特別所得税額420円
受取配当金の所得税額225,000円・復興特別所得税額4,720円
合計250,140円です。

費用として引かれているものを戻すため、加算することに注意して下さい。

「欠損金又は災害損失金等の当期控除額」

欠損金の繰越控除は10年間できますので、1,200,000円が対象です。

減算することに注意して下さい。

「所得金額又は欠損金額」20.9

略式別表四(所得の金額の計算に関する明細書)
区    分総  額計 算
当期利益の額8,935,060円
加算
損金経理をした納税充当金3,650,000円 
減価償却の償却超過額700,000円 
役員給与の損金不算入額750,000円 
役員退職金の損金不算入額1,000,000円 
交際費等の損金不算入額3,700,000円 
生命保険料の損金不算入額1,000,000円 
小 計19,735,060円
減算
減価償却超過額の当期許容額500,000円 
納税充当額から支出した事業税等の金額590,000円 
受取配当等の益金不算入額300,000円 
小 計1,390,000円
仮 計27,280,120円④=①+②-③
法人税額から控除される所得税額及び復興特別所得税額250,140円
合 計27,530,260円⑥=④+⑤
欠損金又は災害損失金等の当期控除額1,200,000円
所得金額又は欠損金額26,330,260円⑧=⑥-⑦

所得金額又は欠損金額26,330,260円です。

「法人税額から控除される所得税額及び復興特別所得税額」は加算することに注意

「納付すべき法人税額」20.9

資本金1億円超の法人:納付すべき法人税額=所得金額✕23.2%ー税額控除-納付済法人税

上記以外の法人   :納付すべき法人税額=8,000千円✕15%+(所得金額ー8,000千円)✕23.2%ー税額控除-納付済法人税
※所得金額<8,000千円の場合は、所得金額ー8,000千円=0

所得金額は1,000円未満切り捨てであることに注意(問題文に書いてありません)

資本金1億円の法人により
8,000千円✕15%+(26,330千円ー8,000千円)✕23.2%=ー法人税額から控除される所得税額及び復興特別所得税額250,140円ー地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除額200,000-法人税中間納税額=5,002,420円
100円未満切り捨て5,002,400円

所得税額控除、特別控除を減算することを忘れなく!

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