【FP検定1級】在職老齢年金、高齢者雇用が叫ばれているので出題されるかも?

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過去13回の試験中、基礎編では4回出題、応用編でも4回出題(2021.5応用)(2019.5応用)(2018.9応用)(2017.1応用)

目次

在職老齢年金とは

60歳以降も在職しながら老齢厚生年金を受給する場合、給与、年金の額によって年金額が減額する制度のことです。

在職老齢年金制度で減額された部分の金額は、厚生年金の繰り下げ受給による増額の対象にはなりません。(2021.1)

また 在職老齢年金は老齢厚生年金保険の制度の1つですから、厚生年金の被保険者でない者は適用されません。

基本用語

この後必要になってくる下記の2つの用語の定義を理解しておきましょう。

総報酬月額相当額

$\mathsf{総報酬月額相当額\ =標準報酬月額+\Large{\frac{年間標準賞与額}{12}}}$

基本月額

$\mathsf{基本月額\ =\Large{\frac{老齢厚生年金}{12}}}$

厳密にいうと60歳以上65歳未満は特別支給の老齢厚生年金分で、65歳以上は報酬比例部分です。
それ以外には影響しません。下記図の黄色の部分が支給停止になります。

支給停止(減額)

60歳以上65歳未満の場合

  • 総報酬月額相当額+基本月額≦28万円の場合
    支給停止なし(2021.1)
  • 総報酬月額相当額+基本月額>28万円の場合
    以下の金額が支給停止
    (2019.1)(2016.1)

$\mathsf{支給停止額\ =(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)\times\Large{\frac{1}{2}}}$

式を書きましたが、覚えるまでもありません。
給与と厚生年金の合計額が28万円を超えると、超えた分の半分が支給停止になるという意味です。

なお、この28万円は2022年4月1日以降は47万円に改正されます。(2021.1)

65歳以上の場合

  • 総報酬月額相当額+基本月額≦47万円の場合
    支給停止なし
    (2021.1)
  • 総報酬月額相当額+基本月額>47万円の場合
    以下の金額が支給停止
    (2019.1)(2016.1)

$\mathsf{支給停止額\ =(総報酬月額相当額+基本月額-47万円)\times\Large{\frac{1}{2}}}$

加給年金に注意

60歳以上65歳未満の場合は、特別支給の老齢厚生年金分が減額になります。
また、65歳以上の場合は、報酬比例部分の老齢厚生年金分が減額になります。

基本的にその他の年金は減額になりません。
1つだけ例外があります。

加給年金特別支給の老齢厚生年金分報酬比例部分の老齢厚生年金分とセットになっているため、 特別支給の老齢厚生年金分報酬比例部分の老齢厚生年金分が全額支給停止になると、加給年金は支給されません。
(2019.1)

高年齢雇用継続給付との調整

高年齢雇用継続給付についてはこちらを確認して下さい。

高年齢雇用継続給付金(高年齢雇用基本継続給付金、高年齢再就職給付金)と老齢厚生年金を受給していると、在職老齢年金の仕組みによる支給停止の他に、最大標準報酬月額の最大6%支給停止になります。
(2016.1)

$\mathsf{\Large{\frac{60歳以後の標準報酬月額}{60歳到達時の賃金月額}}\lt\color{red}61\%\color{black}\ の場合}$

高年齢雇用継続給付金の支給対象期間は60歳以上65歳未満なので、特別支給の老齢厚生年金分から減額されます.

まとめ

$\mathsf{60歳以上65歳未満の支給停止額\ =(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)\times\Large{\frac{1}{2}}}$

$\mathsf{ 65歳以上の支給停止額\ =(総報酬月額相当額+基本月額-47万円)\times\Large{\frac{1}{2}}}$

$\mathsf{\Large{\frac{60歳以後の標準報酬月額}{60歳到達時の賃金月額}}\lt\color{red}61\%\color{black}\ の場合}$

高年齢雇用継続を受給した場合の追加支給停止額
= 60歳以後の標準報酬月額×6%

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