【FP検定1級】頻出の「雇用保険」を整理してみた。

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再就職の案内FP

「雇用保険」は2016年1月から2021年5月の13回の試験(基礎編)中12回も出題されています。
必ず必題されると考えておくべきでしょう。

出題形式は12回すべてか4択で、正しいかまたは誤っている文章を選ぶものです。
制度の内容を問うもので、特に年数・月数・日数・年齢・金額・割合などの数字を覚える必要があります。

「雇用保険」には多くの制度があり、名前が似ており紛らわしい。
数字が多くなかなか記憶できません。

すべてを完璧の覚えようとするとポイントがボケて、今何を覚えているのががわからなくなります。
過去問の傾向から重要箇所を中心に、できるだけ体系立てて書いていきます。

なお、青のカッコ書きは過去問の年月を示しています。

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被保険者

被保険者の要件

  1. 所定労働時間が20時間/週以上であること
  2. 同一の事業主に継続して31日以上雇用されることが見込まれること

1は8時間×5日=40時間の半分以上働いているという意味です。
2は1ヶ月未満の短期労働は対象外ということです。

被保険者の種類

  • 一般被保険者
    65歳未満の従業員
  • 高年齢被保険者
    65歳以上の被保険者

後から出てくる個別制度に関係してきますので、65歳未満と以上に分かれていることを意識して下さい。

5つの失業等給付

「失業等給付」の「等」は必ずしも失業している人だけを支援する制度ではないからです。

  • 求職者給付
    再就職活動のための生活補償のための給付
  • 就職促進給付
    再就職活動を促進するための給付
  • 教育訓練給付
    再就職のためのスキルアップを支援するための給付
  • 雇用継続給付
    再就職によって収入減少を補填するための給付
  • 育児休業給付
    幼児の養育により収入減少を補填するための給付
給付の種類65歳未満65歳以上
求職者給付基本手当高年齢求職者給付金
就職促進給付就業手当 
再就職手当 
就業促進定着手当 
教育訓練給付一般教育訓練給付金
専門実践教育訓練給付金
雇用継続給付高年齢雇用継続給付金 
高年齢再就職給付金 
介護休業給付 
育児休業給付育児休業給付金 

求職者給付

基本手当

【支給額】

基本手当支給額=基本手当日額×給付日数

支給開始日は離職日から待期期間+給付制限期間終了の翌日
支給終了日は受給期間(原則1年)終了日、所定給付日数終了日、就業日の最も早い日
給付日数=支給終了日ー支給開始日

用語解説
  • 基本手当日額
    賃金日数×給付率
  • 賃金日額
    最終支払6ヶ月の賃金総額を180で割った額(ボーナスなどは含まない)上限、下限あり(2021.5)
  • 給付率
    60歳未満は50~80% 60歳から65歳45~80%

【所定給付日数(特定受給資格者等)】

被保険者期間1年未満5年未満10年未満20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
65歳未満90日150日180日210日240日

【所定給付日数(自己都合、定年退職者)】

被保険者期間1年未満10年未満20年未満20年以上
全年齢支給なし90日120日150日
(2021.5)(2020.1)(2020.1)(2018.9)(2019.5応用)

20年以上勤めていて定年退職すると150日分の基本手当が支給されるのですね。

【支給要件】

  • 65歳未満で失業認定を受けていること
  • 離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間12ヶ月以上あること(2021.5)(2020.1)
  • 特定受給資格者等は、離職日以前1年間に雇用保険の被保険者期間が6ヶ月以上あること(2018.9)
用語解説
  • 被保険者期間
    賃金日数が11日以上ある月または80時間/月以上ある月を1ヶ月とした月数
  • 特定受給資格者
    倒産・解雇などで離職を余儀なくされた者

【受給期間】

  • 原則、離職した日の翌日から1年(2018.9)
    求職申し込み日からではない。
    例外) 病気・けが・妊娠・出産などは最長3年間延長、定年退職者などは離職の日の翌日から2ヶ月以内に延長の申し出を行うことで最長2年間延長(2020.1)(2017.1)

【待期期間】

  • 受給資格決定日から7日間、この間は基本手当が支給されない。
    離職日からでないことに注意

【給付制限】

  • 自己都合退職等は待期期間後2ヶ月支給されない。
  • 5年間に3回以上自己都合退職の場合は3か月支給されない。

【失業認定】

  • 4週間ごとに職業安定所の失業認定を受けることで支給がおこなわれます。(2021.5)(2020.1)

高年齢求職者給付金

65歳以上の人への支援制度です。

【支給額】

高年齢求職者給付金=基本手当日額×30日(50日)

【支給要件】

  • 65歳以上であること
  • 離職日以前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること
  • 離職した日の翌日から1年以内に失業認定を受けていること
  • 所定給付日数
被保険者期間1年未満1年以上
全年齢30日50日
(2017.1)(2019.5応用)

一時金として支払われます。
高年齢求職者給付金は、年金と併給できます。一方、基本手当は年金(特別支給の老齢厚生年金)と併給はできません。

就業手当

再就職手当

基本手当の支給残日数が1/3以上あり、再就職した場合、一定の条件のもと一時金が支払われます。

【支給額】

  • 基本手当の支給残日数が2/3以上ある場合(2017.9)
    再就職手当支給額 = 基本手当日額×70%×基本手当支給残日数
  • 基本手当の支給残日数が1/3以上ある場合
    再就職手当支給額 = 基本手当日額 × 60%×基本手当支給残日数

【支給要件】

  • 基本手当ての支給残日数が1/3以上であること
  • 過去3年間に再就職手当を受給していないこと(2021.1)
  • 離職前の会社への再雇用でないこと(2021.1)

就業手当

再就職手当の支給対象にならない、アルバイト等臨時的な就業をした場合に一時金として支給されます。

【支給額】

就業手当支給額 = 基本手当日額 × 30% × 就業日数と基本手当の支給残日数を比較して少ない日数

【支給要件】

  • 基本手当の支給残日数が1/3以上かつ45日以上あること(2021.1)
  • 再就職手当が支給されていないこと
  • 離職前の会社への再雇用でないこと

就業促進定着手当

再就職手当を受給したが、賃金が下がったため差額の一部を一時金として支給されます。

【支給額】

就業促進定着手当支給額 = 差額日額 × 再就職から6ヶ月間に賃金支払の基礎になった日数

【支給要件】

  • 再就職先に6ヶ月以上雇用されていること
  • 6ヶ月間に支払われた日額賃金が離職前の賃金より低いこと(2021.1)

雇用継続給付

再就職によって収入減少を補填するための給付です。

高年齢雇用継続給付

高年齢雇用基本継続給付金

【支給額】

・60歳到達時賃金の61%未満の場合

  • 高年齢雇用継続給付金 = 支給対象月の賃金額× 15%(2019.9)(2019.5応用)

・60歳到達時賃金の61%以上75%未満の場合

  • 高年齢雇用継続給付金 = 支給対象月の賃金額 × 15%未満で厚生労働省令で定めた数値

・60歳到達時賃金の75%以上の場合

  • 支給なし

上限と下限があり、毎年8月1日に改定されます。(2019.5応用)

【60歳到達時賃金】
60歳に到達する前6か月間の総支給額(賞与は除外)

【支給要件】

  • 60歳以上65歳未満であること
  • 被保険者であった期間が5年以上あること
  • 基本手当を受給せず再就職していること
  • 支払賃金が60歳到達時賃金の75%未満になる月があること(2019.9)(2019.5応用)

高年齢再就職給付金

【支給額】 高年齢雇用(基本)継続給付金と同じ基準です。

  • 支給残日数200日以上の場合は支給期間は2年
  • 支給残日数100日以上以上200日未満の場合は支給期間は1年

・60歳到達時賃金の61%未満の場合

  • 高年齢再就職給付金 = 支給対象月の賃金額 × 15%

・60歳到達時賃金の61%以上75%未満の場合

  • 高年齢再就職給付金 = 支給対象月の賃金額 × 厚生労働省令で定めた額

【支給要件】

  • 60歳以上65歳未満であること
  • 被保険者であった期間が5年以上あること
  • 基本手当を受給して再就職をしていること
  • 再就職後の支払賃金が60歳到達時賃金の75%未満になる月があること
  • 受給時に基本手当の支給残日数が100日以上あること

【支給期間】

  • 支給残日数200日以上の場合は支給期間は2年

介護休業給付

【支給額】

  • 介護休業給付金 = 休業前の賃金日額 × 67% × 対象日数(2019.9)(2017.1)
    ※休業は3回まで対象日数は最大93日(2017.9)

【支給要件】

  • 被保険者が配偶者、父母、子、総父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母の介護のために仕事を休んでいること
    同居、扶養している必要はない。(2017.9)
  • 介護休業終了の翌日から2か月経過した月の末日までに申請すること

育児休業給付

【支給額】

・休業180日まで

  • 育児休業給付金 = 休業前の賃金日額 × 67% × 対象日数(2019.9)

・休業181日から

  • 育児休業給付金 = 休業前の賃金日額 × 50% × 対象日数

【支給要件】

  • 被保険者が未満児の養育のために育児休業を取得すること(2020.9)
    保育所に入所できないなどの理由があれば1歳6ヶ月
    さらに特別な理由があれば2歳(2019.1)
    母親、父親が育休を取得した場合(パパママ育休プラス)は1歳2(2019.1)
  • 育児休業中に沈金の支払いがないこと
  • 休業開始前2年間で賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること

※育児休業は原則1回、夫は再取得可能(2019.9)

教育訓練給付

再就職のためのスキルアップを支援する目的で給付する制度です。

一般教育訓練給付金

【支給要件】

  • 被保険者であった期間が3年以上あること(2019.5)
    初めて支給を受ける場合は1年以上(2019.5)
  • 受講開始時に被保険者でない場合には、被保険者資格を喪失した日から1年以内であること(2019.5)
  • 終了後1ヶ月以内に支給請求をすること

【支給額】

  • 一般教育訓練給付金支給額 = 費用 × 20%
    ※上限10万円(2019.5)、下限4,000円

専門実践教育訓練給付金

【支給要件】

  • 被保険者であった期間が3年以上あること(2019.5)
    初めて支給を受ける場合は1年以上(2019.5)
  • 受講開始時に被保険者でない場合には、被保険者資格を喪失した日から1年以内であること(2019.5)
  • 終了後1ヶ月以内に支給請求をすること

【支給額】

・再就職がまだの場合

  • 専門実践訓練給付金支給額 = 費用 × 50%
    ※上限40万円 × 3年 = 120万円
    ※下限4,000円

・再就職ができた場合

  • 専門実践訓練給付金支給額 = 費用 × 70%
    ※上限56万円 × 3年 = 168万円(2019.5)
    ※下限4,000円

まとめ

国は国民が60歳定年になっても働く(再就職する)こと推奨しています。

まずは再就職活動のための支援(求職者給付)をします。
続いて再就職したほうがお得ですとケツをたたきます。(就職促進給付

向上心の高い人への支援(教育訓練給付)、収入が減る人への支援(雇用継続給付)を抜かりなく実施しています。

収入が減る人への支援は幅広く、介護(介護休業給付)や育児養育(育児休業給付)のための休業にも対応しています。

支給額まとめ

【求職者給付】

項目支給額区分
基本手当基本手当日額×給付日数 
高年齢求職者給付金基本手当日額×30日(50日) 
再就職手当基本手当日額×70%×基本手当支給残日数支給残日数が2/3以上ある場合
基本手当日額×60%×基本手当支給残日数支給残日数が1/3以上ある場合
就業手当基本手当日額×30%×就業日数と基本手当の支給残日数を比較して少ない日数 
就業促進定着手当差額日額×再就職から6ヶ月間に賃金支払の基礎になった日数 

基本手当日額=賃金日数×給付率

【雇用継続給付】

項目支給額区分
高年齢雇用継続給付金支給対象月の賃金額×15%60歳到達時賃金の61%未満の場合
支給対象月の賃金額×15%未満で厚生労働省令で定めた数値60歳到達時賃金の61%以上75%未満の場合
高年齢再就職給付金支給対象月の賃金額×15%60歳到達時賃金の61%未満の場合
支給対象月の賃金額×15%未満で厚生労働省令で定めた数値60歳到達時賃金の61%以上75%未満の場合

【介護・育児休業給付】

項目支給額区分
介護休業給付金休業前の賃金日額×67%×対象日数 
育児休業給付金休業前の賃金日額×67%×対象日数 

【教育訓練給付】

項目支給額区分
一般教育訓練給付金費用×20%上限100,000円、下限4,000円
専門実践教育訓練給付金費用×50%再就職済
費用×70%再就職未済

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