【FP検定1級】確定拠出年金など私的年金について

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FP

確定拠出年金が過去13回の基礎編の試験で5回出題されています。
その他確定給付企業年金が2回、中小企業退職金共済小規模企業共済国民年金基金が各1回の出題になっています。

2019年1月応用編の試験で国民年金基金小規模企業共済が1回の出題がありました。

私的年金は各制度にボリュームがありますので、あまり欲張って覚えようとすると嫌になってきます。

確定拠出年金だけは、しっかりと押さえてく必要があります。ですが、それ以外の制度は過去問を中心に目を通す程度でいいと思います。

なお、青のカッコ書きは過去問の年月を示しています。

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確定拠出年金

確定拠出年金は、掛金と掛金の運用利益を財源として、加入者が自己の責任で運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするための年金制度です。
掛金を加入者が拠出する個人型年金(iDeCo)と、企業が拠出する企業型年金とがあります。

運営管理機関

  • 個人型
    国民年金基金連合会
  • 企業型
    規約の承認を受けた企業

運営管理機関は、3つ以上の運用商品を加入者に提示する義務があります。
加入者側はそれを参考に1以上の運用商品を選択します。(2020.1)

また運営管理機関が提示する運用商品に元本確保型商品を提示する義務はありません。(2019.9)

加入要件

  • 60歳未満の公的年金加入者
    国民年金未納者、免除者、猶予者、農業者年金被保険者は加入できません。
    例外があり、障害基礎年金の受給権者は、国民年金保険料の法定免除者であっても、確定拠出年金の個人型に加入可能できます。(2019.9)
  • 加入期間は通算で10年以上、掛金は60歳までは引き出せません。
補足

加入上限年齢は個人型は60歳まで(2022年5月以後は65歳まで)です。
企業型は65歳まで(2022年5月以後は70歳まで)です。

下限は20未満の厚生年金保険被保険者であれば加入できます。(2021.1)

掛金

【掛金拠出限度額】

加入者区分個人型企業型合計
11号被保険者6.8万円/月  ー6.8万円/月
2-12号被保険者2.3万円/月  ー2.3万円/月
2-22号被保険者2.0万円/月3.5万円/月5.5万円/月
2-32号被保険者1.2万円/月1.6万円/月2.75万円/月
2-42号被保険者  ー5.5万円/月5.5万円/月
2-52号被保険者  ー2.75万円/月2.75万円/月
33号被保険者2.3万円/月  ー2.3万円/月
(2017.9)(2021.1)(2020.9応用)(2019.9)

赤字は必ず覚えて下さい。

上表は例えば1号被保険者(自営業者)であれば個人型のみ加入できて、掛金の上限は月額68,000円です。

2号被保険者(会社員)には5種類あり、細かいので下記の表を参考にして下さい。

例えば2-2であれば、勤務先の会社に確定拠出年金制度があり、会社の規約で個人型の加入できる旨の記載があり、会社には確定給付企業年金などの他制度がない場合に該当します。

個人型企業型規 約他制度
2-1×××
2-2×
2-3
2-4××
2-5×

【掛金額の変更】
個人型の掛金は1年(12月~11月)で1回だけ掛金額と拠出区分を変更することができます。(2017.9)

給付

老齢給付金、障害給付金、死亡一時金、脱退一時金の種類があります。

通算加入者等期間が10年以上であれば、老齢給付金を60歳から受給することができます。
加入等期間が下がるごとに受給年齢が上がり、加入等期間が1年以上2年未満では65歳から受給することになります。

老齢給付金を年金形式で受給することを選択した場合は、5年以上20年以下で、運営管理機関が条件のもと一回当たりの給付額は資産額の1/2~1/20の範囲で加入者が決める方法で支給されます。
また一時金として一括で受け取ることも可能です。(2020.9応用)

中小事業主掛金納付制度(iDeCo +)

従業員数300人以下で確定拠出年金(企業型)や確定給付企業年金を実施していない中小企業は、個人型年金に加入する従業員の掛金の拠出に追加して事業主拠出を可能とする制度です。(2021.1)

加入者掛金と事業主掛金の合計額は、月額5,000円以上23,000円以下の範囲内でさだめることができます。

税制措置

  • 掛金
    事業主拠出:全額損金算入
    加入者拠出:全額小規模企業共済等掛金控除
  • 給付
    年 金 受 取:雑所得による公的年金等控除
    一時金受取:退職所得控除

確定給付企業年金

事業主が従業員と給付の内容について確約し、高齢期において従業員がその内容に基づいた給付を受けることができるようにするための年金です。

種類

  • 基金型
    法人格のある企業年金基金が管理、運用、給付をおこなう。
  • 規約型
    労使合意による事業主の資産管理運用部門が管理、運用、給付をおこなう。
    事業主の会計とは別に運用
    信託銀行などと資産管理運用契約を締結

掛金

原則、掛金は事業者の全額負担であるが、規約に定められていて加入者合意があれば、加入者が掛金の一部を負担することができます。(2019.1)

給付

老齢給付が基本になります。その他脱退一時金、障害給付金、遺族給付金があります。
障害給付金、遺族給付金を実施する場合は規約の定めが必要です。

老齢給付金は5年以上または終身にわたって、支給回数毎年1回以上でなければなりません。(2021.5)

老齢給付金を受給するには受給資格期間20年未満である必要があります。(2021.5)(2019.1)

受給開始年齢は、60歳以上70歳未満の規約の定めた年齢、または50歳以上70歳未満の規約で定めた日以後に退職したときです。(2021.5)(2019.1)

税制措置

  • 掛金
    事業主拠出:全額損金算入
    本 人 拠 出:生命保険料控除(2019.1)
  • 給付
    年 金 受 取:雑所得による公的年金等控除(2019.1)
    一時金受取:退職所得控除

【補足】リスク分担型企業年金

原稿の確定給付企業年金制度では財源不足が生じると事業主は追加掛金を負担しなければならない。
追加掛金に一定のブレーキをかけるために加入者と合意の上で追加掛金の範囲を設定する。

リスク分担型企業年金は、事業主がリスク対応掛金を追加拠出する。
一方加入者は企業年金の収支の悪化により年金の確定額が減額するリスクを負う。
事業主と加入者双方がリスクを分担する仕組みの年金です。

加入者は年金額の減額でリスクを背負うが、加入者が掛金を拠出する制度ではありません。(2021.5)

中小企業退職金共済

独力では退職金制度を設置することが困難な中小企業者が、相互扶助の精神に基づき、中小企業者が拠出する財源に基づき、退職金共済制度を確立するものです。

運営管理機関

独立行政法人勤労者退職金共済機構

事業主と独立行政法人勤労者退職金共済機構が契約を締結することにより、従業員が中小企業退職共済制度を活用できます。

対象者

中小企業の常時従業員

【中小企業の基準】

     業   種常用従業員数資本金・出資金
一般業種(製造業、建設業等)300人以下3億円以下
卸売業100人以下1億円以下
サービス業100人以下5千万円以下
小売業50人以下5千万円以下

※「常用従業委員数」「資本金・出資金」どちらかの条件を満たすこと

掛金

【掛金負担者】
事業主

【掛金の額】
掛金は従業員ごとに5,000円/月~30,000円/月(16種類)を選択
いつでも変更可能

【掛金の負担軽減】
新規加入助成
新規に加入する事業主に対して、加入後4ヵ月目から、掛金の1/2(上限5,000円)を1年間国が助成する。(2019.5)
月額増額助成
18,000円/月以下の掛金を増額する場合、増額分の1/3分を1年間、国が助成する。(2019.5)

給付

【退職金額】
月額掛金と掛金納付月数を基にした基本退職金と運用利回りによる収入を財源とした付加退職金により金額が決定します。
退職年齢や退職理由に影響されません。(2019.5)

掛金30,000円/月×20年=720万円で基本退職金は約800万円になります。

【受取り方法】
原則、一括支払いです。
退職日に60歳以上で、5年間分割では退職金が80万円、10年分割では150万円以上であれば、年4回の分割払いを選択することができます。(2019.5)

税制措置

  • 掛金
    全額損金算入、全額必要経費扱い
  • 給付
    退職金一括支払い:退職所得控除
    退職金分割支払い:雑所得による公的年金等控除

小規模企業共済

小規模企業者の相互扶助の精神に基づき、小規模企業者の事業の廃止、承継等に給付する小規模企業者の拠出による経営者の退職制度です。

運営管理機関

独立行政法人中小企業基盤整備機構

対象者

常時従業員が20人以下(商業サービス業は5人以下)の企業の事業主、共同経営者、法人役員
共同経営者は2人まで

【加入資格がない例】
商業登記簿に登記されていない役員など
協同組合、医療法人、学校法人、宗教法人などの直接営利を目的としない役員など
配偶者などの事業専従者

掛金

【掛金負担者】
事業主等個人(会社からの支払い不可)

【掛金の額】
1,000円/月~70,000円/月(500円単位)を選択(2019.1応用)
範囲内で増減可能

【納付方法】
月払い、半年払い、年払いから選択
前納すると減額あり

給付

【法人役員の共済金】
共済金A:法人の解散
共済金B :老齢給付 (65歳以上で180カ月納付が条件)、死亡、病気などの退任、65歳以上の退任
準共済金:A、B以外の理由での退任
解約手当金:任意解任、機構解約(掛金を12か月以上滞納)

【共済金の額】
月額掛金と掛金納付月数を基にした基本共済金と運用利回りによる収入を財源とした付加共済金により金額が決定します。

【受取り方法】
一括支払い分割受取り一括、分割受取りの併用の3種類の方法があります。
分割受取り一括、分割受取りの併用は以下の条件を満たす必要があります。

  • 共済金Aまたは共済金Bであること
  • 60歳以上であること
  • 分割受取りの場合の共済金の総額が300万円以上であること(2019.1応用)
  • 一括、分割受取りの併用の場合の共済金の総額が330万円以上であること

分割受取り一括、分割受取りの併用の分割共済金は10年または15年間で年6回支給される。(2019.1応用)

税制措置

  • 掛金
    小規模企業共済等掛金控除
  • 給付
    一括支払い:退職所得控除
    分割支払い:雑所得による公的年金等控除

国民年金基金

自営業などの国民年金第1号被保険者が、対象の国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして加入できる任意加入の年金制度です。

運営管理機関

全国国民年金基金(2019.1応用)

対象者

  • 国民年金1号被保険者(20~60歳)
  • 国民年金任意加入被保険者(国内居住の60~65歳の者)
  • 国民年金任意加入被保険者(国外居住の20~65歳の者)

国民年金の上乗せ制度のため、国民年金未納者や免除者は加入できない。
自己都合では脱退できないが、1号被保険者でなくなると脱退になる。

掛金

加入は口数制で、1口目は、終身年金A型、B型から選択し、2口目以降は、終身年金と確定年金から選択することができる。(2019.1応用)(2020.9応用)

6.8万円/月が上限
確定拠出年金(個人型)にも加入して場合は、併せて6.8万円/月が上限

一年分の掛金を前納すると0.1ヶ月分の掛金が割引かれる。(2020.9応用)
終身年金は男性より女性のほうが掛金が高い。

国民年金基金に加入すると、1口目に国民年金の付加年金保険料が含まれているため、付加年金保険料を納付できません。(2019.1応用)(2020.9応用)

給付

【給付の種類】

  • 老齢年金
    終身年金A型(15年の保証期間あり)、B型(保証期間なし終身)
    確定年金Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型
  • 遺族一時金

終身年金は65歳から給付開始、確定年金は種類により60歳から開始と65歳から開始とがある。
年金額が12万円以上は年6回支払い、12万円未満は年1回支払い

  • 1口目
    終身年金A型、B型のいずれかを選択
  • 2口目
    終身年金A型、B型と確定年金Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型から選択(2019.1応用)

老齢基礎年金の繰上げ支給を請求した場合は、国民年金基金から付加年金相当分が減額(2019.1応用)

税制措置

  • 掛金
    社会保険料控除(2019.1応用)
  • 給付
    雑所得による公的年金等控除

まとめ

制度名対象者拠出上限等給付
確定拠出年金公的年金加入者1.2~6.8万円/月
個人負担
企業負担
併用
老齢給付金
5年以上の有期又は終身年金
障害給付金、死亡一時金
脱退一時金
確定給付企業年金厚生年金保険の被保険者で規約で定めた者
公務員は対象外
多様な掛金の拠出方法あり
原則事業所負担
老齢給付金、脱退一時金、障害・遺族給付
障害・遺族給付は規約で定め必要
毎年1回以上支給
中小企業退職金共済中小企業の従業員
規模:従業員300人以下または資本金3億円以下
0.5~3万円/月
事業所負担
基本退職金
不可退職金
掛金3万円/月×20年で基本退職金は約800万円
小規模企業共済企業の事業主、共同経営者、法人役員0.1~7万円/月
役員など個人負担
共済金A、共済金B
準共済金、解約手当金
国民年金基金国民年金第1号被保険者
国民年金任意加入者
確定拠出年金と併せて6.8万円/月老齢年金、遺族一時金

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