【書評】「老いてこそ生き甲斐」石原慎太郎 著 第二の人生のヒントに

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著者の石原慎太郎さんはベストセラー『老いてこそ人生』を69歳のときに執筆
87歳で再び「老いてこそ生き甲斐」を執筆
日本、世界のいろいろな人物の逸話の紹介をつうじて老いた者のあるべき姿とは何かを説いている。

定年退職をした人、老後になにをしていいかわからない人、老後の孤独感に悩んでいる人、だんだん体が動かなく気が滅入っている人等に今後の生き方のヒントになります。

目次

【タイトル】「老いてこそ生き甲斐」

本文を読む前にタイトル「老いてこそ生き甲斐」について考えてみました。
何が生き甲斐なんだろうか?著者のことだから単純なことではないだろうな
年を取るとなかなか生き甲斐は見いだせないと思います。著者はなにをもって生き甲斐に見出したかは興味があります。

【帯キャッチコピー】経験と成熟がもたらす人生の配当とは何か

配当?
何かの比喩? 御利益のこと? 生きていてよかったこと? 幸福?
配当という言葉はどんな意味で使ったのでしょうか?

【キーフレーズ】

老いをどう受け止め、老いてどう生きるかは限りある人生の最後の問題です。

老いとその先にある死についていい加減にしないで真剣に考えることです。
老は考えてみても仕方ないことと考えています。60代のため老についての実感が薄いのでしょうか?著者の境地には達せていません。

老いてからさらに美しく気品を備えて生き抜く。

ここまで気持が高められるだろうか?こんな言い方は非礼かもしれませんが、真に”カッコ良い”です。

老いてからの自からの立場をしっかり踏えての生き方の、最高の規範と言うべきでしょう。

これは美智子皇后に対する著者のコメントです。実家正田家ともはとんど会えない言う。私たちが想象する以上の苦悩があるのでしょう。

・自分をこの世に与えてくれたものに対する背信としかいいようもない。
・彼等は何故死ぬまで老いと戦うことがなかったのだろうか。

自殺に対するコメントでする。作家仲間が多く自殺するのを嘆いている。

・自ら命を断つ者は老いと戦うことをあきらめた敗者でしかないと思う。

これも自殺に対するものです。
生きている者のなかには死にたくても死ねない人の方が多いのではないか。
皆がみな老いと戦っているわけではない。戦うことをあきらめた人もいると思う。
このような気持ちになるのは最悪であるが、今後老後を迎えるに当たり最も心を痛める点です。

孤独と寂寥感の解消には、語り合うのが一番いい。
老年の特徴の一つは「ひきこもりがち」ですが、それは人生の閉鎖であって、積極的に他者と交じり、さまざまな摩擦を講じることが刺激になり、生き甲斐をもたらすことが多々ある。


これは孤独にならないための秘訣です。私も心に留めておきます。
しかし、著者の言うように人間関係にはプラスとマイナス面があり、一歩踏み出さないところもあります。

・老いをいかに生き抜くかが、その人生の本当の意味をなすのとになるのです。
・老いに対して歯向かい挑戦しなければ、そのままずるずる押し切られてしまうのです。そしてその挑戦こそが老いてもの生き甲斐を与えてくれるはずです。

強気です。一方でこのような考えでないと老後を生きていけないとも言えます。

パラリンピックの選手たちを見直したらいい。彼等に比べれば、老いたる者の背負った肉体的ハンディは知れたものでしかありはしまい。

ほんとうにそのとおりです。老いはあきらめとの勝負です。ここで頑張ることが生き甲斐にもなるんですね

老いが与えてくれる知恵、とまではいかぬが、長年生きた来たことによるある成熟とはいえるでしょう。それは若い人間たちには及ばぬ、長い人生からの配当といえるのかもしれません。

帯キャッチコピーにあった「配当」です。「知恵」「成熟」と言っています。私の予想した「生きていてよかったこと」は少しかすった程度でしょうか。

文化を保持するために私たち老いたる者が、その確かな伝承のために若者たちへの説教を惜しんではなりません。


文化、伝統をつなぐ意味では賛成ですが、説教はどうなんでしょうか?拒否感ですね。

・老いてはいても常に新しい生き甲斐を見出し、与えられた天寿を全うすることこそが人生の見事な完成になり得るはずです。
・後からこの世にやって来る者たちのためにも常に新しい生き甲斐を見出し、人生を見事に全うしなくてはなりません。

著者の結論です。ここまで気持ちを高められすでしょうか?
著者に聞いてみなければわかりませんが、もしかしたら自分に言い聞かせているのかもしれません。

まとめ

老いは人生最後の問題です。孤独やひきこもりにならないためにも他者と交わることが生き甲斐になる。
老いに対して立ち向かっていかなければならない。老いた者には知恵という配当がある。
文化・伝統を継承してくためにも生き甲斐を見つけ、人生を全うしなければならい。

だれに訴えているのではなく、自らに訴えかけているのではないでしょうか

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